師走から元旦へ 中国では多忙の人 そわそわする人 いつもどおりの人と…

何かと気ぜわしい「師走」。往年よりも減ったとはいえ年賀状の準備、家の大掃除や友人たちとの忘年会等々。

それは中国で働く日本人にとっても同じこと。間もなくやってくるお正月を前に、心が少々浮ついている日本人と一緒に、中国人の社員達はいつもと変わらない雰囲気の中で淡々と仕事をしています。
ですから、気をつけなければならないことも…

ただの休日 中国の元旦

大連・人民路のイルミネーション

公式的には中国も1月1日が新年。

ですが生活面は旧暦で動いている中国では12月と言ってもいつもの月と何も変わりません。

街もいつものとおりですが、仕事が終わり家に戻ってテレビをつけると日本チャンネルでは年末にちなんだ番組が放送されているので、その時だけは「年の瀬」をかろうじて感じることができます。

また大晦日の恒例、紅白歌合戦はとにかく一年が終わったホッとするひと時を与えてくれます。

春節の盛り上がりとはくらべものにはなりませんが、それでも、最近の12月31日大晦日には若者たちが街に出て新年のカウントダウンをやっているようです。

 

元旦のお休み中に街に出ると4そこはいつもと変わらない喧騒が…

中国での元旦は「元旦」という文言は三国時代に初めて使われたそうです。元旦の「元」とは「始め」を意味し、「旦」は「日」を表し「元旦」は「始まりの日」との意です。その響きは気持ちを新たにしてくれます。

元旦に地元の日本料理店に行ってみると特別メニューの「お雑煮」が。白みそだ、赤みそだと贅沢は言えませんが、外国でお雑煮が食べられること自体がうれしいことです。

年末の些細な行動

そわそわしている日本人…

一方では、お正月を日本で過ごそうとする日本人は年の暮れが近づくとそわそわとしています。日本でのお正月を満喫するには三連休だけでは足りないので有給休暇を申請し、結局中国人社員よりは長い年末年始休暇となります。

そこで気になるのは現地社員の日本人社員に対する目。自分たちは仕事をしているのに日本人は休暇を取っていいご身分だ、と思われたとしたら以降の仕事に、ひいては業績に影響することは避けられません。

考えてみたらもうしばらくすると春節休暇がやってきます。もし、年末年始に休暇を取れば春節にはまた一週間の休暇が取れるのですから、現地社員にしてみればタガが緩んでるように見えるかもしれません。

中国古典の書経には「細行を矜まずんば、終に大徳を累わす」と。慎重を欠いた些細な行動が、それまで築き上げてきた信頼を失ってしまうことになると諫めています。

人の上に立つリーダーとして、わずか三日ほどの休暇によって信頼を損なうことのないような、自らを律する行動が求められます。

中国で会社経営層として仕事をしている日本人としては、お正月だと浮かれていてはいられないのです。元旦の少し後には春節長期休暇がやってくるのですから、

私自身は14年半の赴任期間中はいつも中国で元旦を迎え、三連休明けには出社していました。

矛(ほこ)を枕にして寝る

浮かれてばかりいられない中国の12月。

中国の会計年度は1月~12月で、当年度の決算見通しを踏まえて新年度の予算を作成し、日本の株主総会に相当する「董事会」の準備など、12月は結構忙しいのです。

日本本社は会計年度が4月~翌3月ですから、日本の新年度が始まるころには中国の現地会社では既に第一四半期が終わるってことになります。

ところでこの「予算」の作成がけっこう厄介。「頑張って売ろう!」や「たくさんやろう!」といった漠然とした表現をするときは中国人社員も威勢よくていいのですが、目標を数値化することはとても苦手。

今でこそ「预算(予算)」「KGI(重要目标达成指标=日本語では重要目標達成指数)」「KPI(关键绩效指标法=日本語では重要業績評価指標)」などという言葉が聞かれるようになってきたようですが、私が勤務していた当時は「予算」という言葉さえ社内ではよく理解されていませんでした。

しかし目標も計画なく出来高だけ見ていたのでは、いくら中国と言っても会社経営など成り立つわけがありません。適正で健全な経営のためには予算や施策など周到な準備が欠かせません。中国古典にも「戈(ほこ)を枕にして寝る」と戦いの準備の大切さを教えています。

企業においては市場という戦場で新しい一年を戦うわけですから、そのために必要なのは具体的な数値目標の設定です。

但し、その予算などの数値目標を社員達にそのまま示しても、消化されるとは思えませんので、目標に向かって挑戦するさまざまな工夫が不可欠です。そこが総経理(社長)の腕の見せ所。

12月は決算見通しを立て、来期の予算と重要業績評価指標を策定したりと多忙な時期なのです。お気楽駐在員を除いては…

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成功のヒント 中国のことわざ・格言

不矜细行、终累大德 / 細行を矜まずんば、終に大徳を累わす

◆中国語:不矜细行,终累大德   [bú jīn xì xíng ,zhōng lèi dà dé ]

◆日本語読み下し:細行(さいこう)を矜(つつし)まずんば、終(つい)に大徳を累(わずら)わす

◆出典:書経

◆意味:日常の些細な行動を慎重にしないと、コツコツ積み上げてきた信頼を失うことになる。(小さな弛みが思いもよらない大事を引き起こすことを自覚したいものです)

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枕戈待旦 / 戈を枕にして旦(あした)を待つ

◆中国語:枕戈待旦   [ zhěn gē dài dàn ]

◆出典:晋書(刘琨传)

◆意味:兵器である戈を枕にして眠りながら明日を待つ。戦の準備を怠らないことの意。

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