大勢いる! 現場が見えていない総経理 可哀そうなのは…

 

例えば、毎年のベースアップ。地元の商工会がリサーチした日系企業の給与改定相場が、自社にとって許容範囲かどうかを考慮し、よければそれを落とし所に、と考えます。

しかし、それでは重みもないし、説得力にも欠けるので、着地点までのストーリーが描けません。一般社員はどう考えているのだろうか、具体的な期待度はどのあたりか、残念ながら、これが総経理にはわからないのです。わかればシナリオが書けるのですが…。

 

 

▮民を貴しと為す

社員が何を考えているのか、仕事の現場に問題はあるのか無いのか、それこそ、壊れたままの机を使って不便を感じていないか、等々、総経理には見えていないことが山ほどあるはず。日本人など、外国人が総経理の場合はなおさらです。

国家にあっては「民を貴しと為す」と。人民が国家の基盤であるとの格言です。ならば、会社を構成する社員はその基盤であり、貴重な存在であるといえます。

その貴重な基盤を成す社員達のことが総経理にはよくわからない。

 

▮拍馬尻もご愛敬

我が社にはいくつかの営業所があり、さらに社員を顧客のオフィスなどに派遣して業務を提供するケースも多くあります。いずれの場合も、所属する社員は、直接そこに上下班(出退勤)するので、普段、彼らと顔を合わす機会はほとんどありません。

 

そこで、彼らとコミュニケーションを図り、そして会社から離れて仕事をしている彼らの仕事環境や課題を見つけるために、総経理自ら現場に出かけていきました。

 

自分が勤める会社の、めったに会うことのない総経理が直接訪問してくれたと、彼らはたいそう喜んでくれます。まあ、その半分は中国でよく言われる「拍马屁」、つまり、おべっかを使っているのかもしれませんが…

そんな中にも、現場を肌で感じ取り、以後の施策に役立てることができました。自ら現場に出向けば、見えなかったことが多少は見えるようになり、自身でも納得ずくで、且つ自信をもった会社運営をすることが可能になります。

 

▮人材こそ大切なれ

しかし、そう頻繁には現場に行くことはできません。そこで、幹部社員に委ねて、総経理に現場状況が正しく情報として入るように仕組まねばなりません。総経理の意を体して現場の社員と交流してもらうのです。

 

唐の太宗の政治について言行を記録した「貞観政要」には「政を為すの要はただ人を得るに在り」と人材が最も大事であると書かれています。

如何に総経理とは言え一人でできることは限りがあります。優秀な「右腕」を育て、何人か揃えることが、成功を掴む要点であることは論を待ちません。

 

▮磨く、高める

では、自身の周りに優秀な人材を集めるにはどうすればよいのか。何はともあれ、総経理が自身を磨き、魅力ある人になることであると私は考えます。

 

中国古典には「徳は事業の基なり」と、事業発展の基礎は経営者の徳にあるといわれています。人の上に立つ者は徳を磨け、というのです。

 

どのようにして自身を磨くか、は別の機会に譲るとして、少なくとも緊張感をもって毎日の仕事に取り組むことが求められます。

事業発展を目指すのであれば、四六時中、仕事のことを考えていても不思議ではありません、よね。

☛「中国ビジネス成功の決め手 現場目線で急所を解説」はこちら。

▮中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言

民为贵 / 民を貴しと為す

◆中国語:民为贵   [ mín wéi guì ]

◆日本語表記:民為貴

◆出典:孟子(尽心下)

◆原文:民为贵,社稷次之,君为轻。(民が最も貴く、土地と五穀の神がこれに次ぎ、君子は最も軽い。)

◆意味:国家にとって人民が基盤であり最も貴い存在である、との意。会社でいえば社員がいなければ何もできず、会社の基盤を成す貴い存在は社員であるといえます。

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拍马屁 / 馬の尻を叩く(おべっかを使う)

◆中国語:拍马屁   [ pāi mǎ pì ]

◆慣用句

◆意味:昔、蒙古族の人が馬を引いているのに出会ったとき、いつも馬の尻を叩き、腰を撫で、「いい馬だねえ」と適当なことを言って、馬の持ち主を喜ばせた。このことから、おべっかを使う、お世辞を言う、こびへつらう、と言った意味でつかわれるようになりました。

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为政之要惟在得人 / 政を為すの要は惟(ただ)人を得るに在り

◆中国語:为政之要惟在得人   [ wéi zhèng zhī yào wéi zài dé rén ]

◆日本語表記:為政之要惟在得人

◆出典:貞観政要

◆意味:人材を招致することが政治の要である。会社においても人材がいなければ事業の拡大はおぼつかない。そして、社員であれば幹部であろうと一般社員であろうと皆人材である。

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德者事业之基 / 徳は事業の基なり

◆中国語:德者事业之基   [ dé zhě shì yè zhī jī ]

◆日本語表記:徳者事業之基

◆出典:菜根譚

◆意味;経営者の徳が事業発展の基礎になる。もちろん事業経営に対する優れた能力が大事であるが。経営者はこの徳を磨き能力を身につけることこそ、発展の要点である。

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☛「現場目線で読み解く 中国のことわざ・格言」はこちら。

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