中国で心臓発作、乾坤一擲のカテーテル治療! 結果は… 禍を転じて福と為す

 

思いもよらない出来事が突然やってくることが、人生の途上には珍しくありません。

災害であったり事故であったり、急病など…。でも異国の地で、しかも人生初の入院となると不安に襲われます。
そして、私の身にも、何の前触れもなく、そんな大事が勃発…。

 

 

▮好事魔多し

2002年に自力で設立した瀋陽支店。中国独特の障害が原因で、業務開始ができない2年ほどの膠着状態からようやく脱出、開業の目途が立ったのが2004年6月。いよいよ念願の瀋陽市での業務展開がスタートしようとしていた、まさにその矢先、予期していないことが勃発しました。

突如、心臓発作に見舞われ緊急入院する羽目に…。

 

2000年に大連に赴任、中国の急激な経済発展も追い風となり、思った以上に順調に推移していたさ中に大事が起きたのです。

決して有頂天になっていたわけではありませんが、”好事魔多し”と言われるとおり、得てしてそういう時に禍は起きるものです。

 

▮人生初の入院

その時も、瀋陽から大連に出張してきた事業推進のためのキーマンとの会食のため、会場に向かっている途上のこと。今日も白酒を飲まなければ…との覚悟を決めた車中で突然の異変が体を襲いました。

会食か、病院か、少しの躊躇の後、会食会場で件のキーマンに握手と挨拶をし、後のことを我が社の副総経理に託し、私は病院へ直行。そのまま、入院となってしまいました。

 

血圧や脈拍が表示されるたいそうな機械に繋がれ、お腹には血液抗凝固剤の注射を打たれ、心細い、眠れない一夜を過ごしました。人生で初の入院を、何とこの中国で…。

 

▮それも中国で…

翌朝、帰国して入院治療することを訴えるも、医師からは、病状が不安定な状態で飛行機に乗ることは非常に危険で命は保証できないとの宣告。日本のかかりつけの医師に電話で相談しても同様の答えで、やむなく私は腹をくくりました。

 

そして、各種の検査や点滴が始まりました。ベッドの枕元には「冠心病  」(冠状動脈性心疾患)の表示。

CT写真を見せられ、冠動脈の一か所に70%程度の狭窄が写っていました。そこで血流が妨げられたときに発作が出たとのことでした。

 

▮お金を払わないと診てくれません

中国の病院はどこも患者と付き添いの人であふれかえっています。「挂号  」と書かれた窓口で受付け料を支払い、その後、指定の診察科に行きます。診察も検査もかなりの順番待ち。点滴などの処置も、費用の支払いが済まないとやってくれません。

言葉の問題も重なり、それはもう大変です。

 

中国の病院では、診療以外は自己責任です。入院の場合はさらに、身の回りの世話をしてもらう人が必要です。日本のような「完全看護」ではありません。ですから家族がいない場合は、専門の人を雇ったりしなければなりません。

それに、食事もたいへん。日本は最近では以前と比べてずいぶん美味しい病院食が出されるようになったとか。それにしても薄味であったり、まぁ、やむを得ませんが。

中国の病院にも病院食はあるのですが、見ただけで食欲が失せてしまいます。

 

▮命長ければ辱多し、とはいうけれど

そういった問題とも戦いながらも出された確定診断は「狭心症」。中国名は「心绞痛」。治療方法は、カテーテルによるステント治療。簡単とは言え、中国の病院で心臓カテーテル手術をすることになりました。

 

医師からは「タバコと命とどちらか一つ選べ」と言われ、それまでは一日2箱吸っていたタバコをきっぱりと止めました。

命長ければ辱多し”と言われるように、「人生は太く短く」がいい、などと粋がっていましたが、考え方が180度変わりました。細くとも長い方が良いと。

医師の指導によって白酒も止め、少しのワインで我慢。健康生活を目指すことになりました。

 

▮禍を転じて福と為す

しかし気がかりなことがひとつありました。結局23日も入院したのですが、総経理(社長)がそんな長い間、不在にして会社は大丈夫だろうか、ということです。

社員が時々見舞いに来ては会社の状況を報告してはいましたが、やはり気になるところです。

退院し、出社して驚きました。入院以前と何ら変わらない会社がありました。

毎日一緒に仕事をしていると、気がつかなかったのですが、幹部社員達はすでに立派に育っていたのです。

それもそのはず、彼らは10年選手。知らない間に一翼を担うまでになっていました。

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そこで、私も仕事のやり方を大きく変えました。多くの部分を彼らに委譲し、私は総経理にしかできないことだけをやることにしました。

禍を転じて福と為す”との言葉のとおり、以来、幹部社員達はそれぞれ自覚をもって責任を果たし、会社の業績は急上昇することになりました。

頑張っていさえすれば、何が起きても無駄なことは何一つない、ということですね。

»「中国ビジネス成功のツボ」をご覧ください。☛こちら

 

▮中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言

好事多磨 / 好事魔多し

◆中国語:好事多磨   [ hǎo shì duō mó ]

◆出典:安公子

◆意味:「磨」とは障害、妨げ、トラブルのこと。良いことはとかく邪魔が入りやすい。良いことがあったからといって有頂天になってはいけないという戒めの意を含む。

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寿则多辱 / 寿ければ則ち辱多し(命長ければ辱多し)

◆中国語:寿则多辱   [ shòu zé duō rǔ ]

◆日本語表記:寿則多辱

◆出典:荘子

◆意味:長生きすればその分恥ずかしい思いをすることも多い。

◆故事:長生きできますよう、お金持ちになりますよう、男の子に恵まれますよう、といわれたお役人が全部断った。その理由を問われたお役人は、「男の子が多ければ成人できるかびくびくしなければならない、金持ちになったら煩わしいことが増える、長生きすると余分に恥をかかねばならない。」と言った。

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转祸为福 / 禍を転じて福と為す

◆中国語:转祸为福   [ zhuǎn huò wéi fú ]

◆日本語表記:転禍為福

◆出典:戦国策

◆原文:圣人之制事也,转祸而为福,因败而为功。(聖人の事を制するや、禍を転じて福となす、失敗をもとにこれを成功に導く)

◆意味:禍をうまく処理して、逆に幸をもたらすきっかけにすること。(禍や失敗があったときこそ、勇気を奮い起こし、強く明るく、前に踏み出す。これを変毒為薬という。)

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