中国で、ある社員が朝礼で欠伸をした その場で彼を叱責するのはアリ?

 

私が赴任した会社では日本式の朝礼をやっていました。社員の皆さんが横一列に並び、前に総経理(社長)が立って話をする、日本ならどこの会社でもある風景です。

ある時、朝礼が始まった直後に一人の社員が大欠伸(あくび)をしたのです。思わず、私は出ていけと叫んでいました。やってしまった…

 

▮へたくそな叱責の結果は

「長口上は欠伸の種」といわれていますが、その時は朝礼が始まった直後のことで、まだ話が始まる前。仕事に入る気構えができていない、なっとらん社員だと、瞬間的に怒鳴った自分がいました。

彼の態度の是非は別として、私が犯した過ちは社員が揃っている朝礼で、皆の面前で彼を叱責したことです。

 

何より面子を重視するお国柄。如何に部下であろうと、また、どんな理由があろうとも恥をかかせたり面子を傷つけることはタブー。

いくら正当なことであっても、叱責された方が恥ずかしい思いをしたり、反発したのでは叱責の意味がなくなってしまいます。

 

それに、完膚なきまでにやられてしまうと、相手にとっては生死にかかわる事態となり、手痛い反撃をくらうことにもなりかねません。「窮鼠猫を噛む」の例えのとおりです。相手の逃げ道を残す配慮も欠かせません。

 

例えば、私が犯した過ちのように大勢の面前で面子を潰してしまったような場合、下手をすると社員全員を敵に回す結果になるかもしれません。そうなれば総スカンをくらい仕事どころではなくなってしまします。

 

▮相手に対して留面子、結果として自身のために

どんなに腹が立っても相手の面子は守ってやらねばなりません。中国には「留面子」という慣用句があるくらいに重要なことです。相手の体面を保つ、面目を施す、などの意味ですが、実は、これ、結局は自分自身のためでもあります。

ですから、社員をどうしても叱責しなければならないときには、会議室など他の社員がいない場で静かに叱ることが大事です。大声を出したり、机をたたいたりするやり方は一利もありません。

湖面に映る静けさ(大阪府堺市)

 

こういった失敗をしないようにするためには、もし瞬間湯沸かし器のような性格の人であれば、即刻改める必要があります。といっても人間ですから頭に来ることだってありますよね。そんな時には、頭の中に冷静に見つめているもう一人の自分を準備しておくことです。

むかつくことがあっても冷静且つ沈着にして気色ばむことなどないように自分でも普段から努力し、高めていかなければなりません。

 

 

ついでながら、中国人は人前でも平気で欠伸をする人が多いように思います。欠伸は一種の生理現象ですから、日本での午後の会議で欠伸をかみ殺し、我慢する習慣はないようです。そんなことに目くじらを立てて怒るのは得策ではありません。

»「成功のツボ カテゴリー別記事一覧」もご覧ください。

 

▮中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言

穷鼠啮貍 / 窮鼠猫を噛む

◆中国語:穷鼠啮貍   [ qióng shǔ niè lí ]

◆日本語表記:窮鼠齧貍

◆出典:漢 塩鉄論(詔聖)

◆原文:死不再生,穷鼠啮貍。(死して再び生きざれば、窮鼠貍を齧む)※貍は野猫。

◆意味:弱い者も絶体絶命のピンチに立った時には、強い者を苦しめることがある。

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穷寇勿追 / 窮寇には迫ることなかれ

◆中国語:穷寇勿追   [ qióng kòu wù zhuī ]

◆日本語表記:窮寇勿追

◆出典:孫子(軍争)

◆意味:逃げ場を失った者は死に物狂いで反撃をするので、こちら側が不要な損害を被らないよう、深追いはしない方がよい。人はあまり問い詰めない方がよい、との意。

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喜怒不形于色 / 喜怒色に形さず

◆中国語:喜怒不形于色   [ xǐ nù bù xíng yú sè ]

◆日本語読み下し:喜怒 色に 形(あらわ)さず

◆出典:三国志·蜀志·先主传

◆意味:感情を表に現わさない、冷静沈着な態度のこと。

◆背景:三国時代の蜀の国の君主、劉備は寡黙で威張らず、感情を表面に現わさなかった。そんな彼も豪傑たちとも交際し、若者は彼を好んだ。

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»「現場目線で読み解く 中国のことわざ・格言」もご覧ください。

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