聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥 それ、中国ではお勧めできません…

 

初めての中国ではわからないことだらけ。それに広い中国では地域で何事も大きく異なります。ですから、初めての地ではやはりわからないことがいっぱい。

わからないことは地元の人に聞くのが手っ取り早い。ということで、社員にいろいろなことを聞きました。

あるとき、ふっと気になることが…。どうも、蔑まれているのではないかと感じる雰囲気がしてきました。多くのことを尋ねるものですから、何も知らない頼りない総経理とでも思われているような、微妙な変化が…。

 

 

▮聞くは一時の恥…ここに落とし穴

中国人は面子をとても重視しますが、元来、私はそれほどでもありません。自分がわからないのだから、わかっている部下社員に教えを請っても、そんなには気にする性分ではありません。

むしろ、聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥というのですから、気にする必要などありません。面子を重視する中国ですら「下問を恥じず」という格言があるくらいです。

 

でもね、これ、実は落とし穴が仕掛けられています。

如何に「下問を恥じず」といっても、度重なって部下に聞くとなると話は違ってきます。

まして総経理(社長)である自分がわからないことを部下の社員に聞くということは、むしろ部下社員とのコミュニケーションに役に立つ、なんて思うのは極めて浅はかと言わざるを得ません。

 

▮部下社員に教えを請う…

聞かぬは一生の恥、といって部下社員にいろいろなことを聞くことが、ある一線を越えた時に、総経理(社長)は、部下社員から足元を見られることになります。

地元社員達にとって総経理は雲の上の人、であるはずだのに何も知らない、我々の総経理は大丈夫か…、とばかりに。

 

じゃあ、どうすればいい?

部下には聞かないこと、部下を頼らないことです。総経理として会社組織をコントロールしマネジメントを十分に行うには、部下に教えを請うような甘えは許されません。

わからないことに直面した時でも、顔には表さず如何にも知っているように振舞うのです。そもそも、組織の長たる者は、たとえピンチの時であっても動揺を顔に出さない方がよい。したがって、部下社員にはできるだけ尋ねないで、後でこっそり自力で調べるのです。そういった努力を怠り、結局自分の足元を見られるようでは、中国での会社経営者としては失格です。

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▮実は中国初心者であっても顔はベテランのように

つまり、総経理(社長)として管理マネジメントする対象の部下社員に物事を尋ねることは極力避ける、ということです。

それは面子上の理由ではなくテクニック上の理由からです。

中国のユーザーへの対応などでどうしても、という時には信頼できる幹部社員にアドバイスを求める。これが最小限の許される範囲ではないかと思います。

60歳の誕生日のお祝い。懇意にしていた中国人経営者の方からいただきました。

マーケットの状況を考察するときなど、場合によっては社外ブレーンのような方を自ら前もって作っておくことも重要です。私は、上海時代にあっては中国語の先生、大連では地元の会社経営者、個人的友人などによく相談に乗ってもらったり意見を聞いたりして、ずいぶん助けられました。

そして、社員の前では中国通のベテランのような顔で相対したものです。

»「成功のツボ カテゴリー別記事一覧」もご覧ください。

 

▮中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言

不耻下问 / 下問を恥じず

◆中国語:不耻下问   [ bù chǐ xià wèn ]

◆日本語表記:不耻下問

◆出典:論語(公冶长)

◆意味:自分の目下の人であっても気にせずに教えを乞う。孔子の「孔圉」という人物への評価が、聡明なうえに向学心が旺盛で、あえて後輩に教わることを恥としなかった立派な人であるということでした。目下の物に教えを請うことについて、恥ずかしいなどとこだわる必要はないとの意。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥と同義。

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乘人之危 / 足元を見る

◆中国語:乘人之危   [ chéng rén zhī wēi ]

◆出典:後漢書(盖勋传)

◆意味:読み下しは「人の危うきに乗ず」。他人の弱みにつけ込むこと。足元を見る。

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静以幽 / 静(せい)にして以って幽(ゆう)なり

◆中国語:静以幽    [ jìng yǐ yōu ]

◆原文:将军之事,静以幽

◆出典:孫子兵法

◆意味:「幽」は、奥が深いとの意。リーダーは、じっくりと構え、不安動揺を外に現したりしてはならないという。リーダーが不安げな表情を浮かべたりしていたのでは、組織が動揺する。リーダーが冷静沈着であれば、部下の信頼をかちとることができる。

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»「現場目線で読み解く 中国のことわざ・格言」もご覧ください。

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