一往深情とは… とにかく情の厚さに舌を巻く

 

社命によって総経理職を外れ本帰国して早や5年余。共に苦労してきた中国の幹部社員達とは、その後もずっとメールのやり取りなどのつきあいが続いています。

そして彼らは私のことを相変わらず「総経理」と呼んでいます。既に私は会社をリタイヤしているにもかかわらず、である。このことをどう理解すればいいのでしょうか…。

 

 

▮没後40年 今も周総理

新中国が建国された1949年以降、1976年に亡くなるまで27年間にもわたってずっと総理を務めた周恩来総理。何度も政治的危機を乗り越え、「不倒翁」と国民から言われていたそうです。今年は周総理生誕120周年、亡くなってからも既に40年経過しますが、今も国民からは「周総理」と呼ばれています。日本ではどう考えても「元総理」でしょうけど。四半世紀もの間、ずっと国のトップを務めた周総理への尊敬の念や、親しみが混然として今も心に生きているのでないかと思います。

 

▮総経理、一夜明けたら○○さん

偉大な周総理ともちろん比べるべくもありませんが、小なりといえども同じ会社で12年半にわたって共に苦労した仲間たちと私にはお互いに尊敬し合い、そして親しみを持っていることは自信を持って言えます。

 

一方、ある日本人部下社員から私が総経理の任を解かれた翌日、「○○さん」と呼ばれ苦笑いしたことを覚えています。理屈では誤りではありませんが、中国人との違いが鮮明ですよね。中国人の一途で情に厚い心を感じます。

労働公園のハス池(秋)

人の情は忘れられない一生の思い出。(大連・労働公園)

 

中国の小学校の教材に「水を飲むときは井戸を掘ってくれた人の努力を忘れてはならない」とあります。何かにつけて、頑張った仲間たちのことをお互いに思い出し、恩を感じ感謝する気持ちが、「元総経理」ではなく今もって「総経理」と言わせているのではないかと思います。(部下が元上司のことを中国風に呼び捨てにはできないし、かといって“元総経理”というのも今一つ。ただ単に面倒だから今もって”総経理“と呼んでいるのかも…)

 

▮舌を巻く情の厚さ

上海のある友人とは20年来のつきあい。たまに上海に行くと彼は仕事を休んで空港に出迎えてくれます。遠くから来てくれたこと自体がうれしいことだということわざもありますが、このように付き合うときにはトコトンやろうとする気持ちの厚さに日本人にとしては舌を巻きます。

もちろん彼が大連に来た時には、私の方がトコトン付き合うことになります。

私は機微に触れるマネジメントを旨とし、その点では人には負けないつもりでしたが、中国に約15年駐在し、中国人に情の厚さを学びました。

»「成功のツボ カテゴリー別記事一覧」もご覧ください。

 

▮中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言

一往深情 / いちおうしんじょう

◆中国語:一往深情   [ yī wǎng shēn qíng ]

◆出典:南朝刘义庆《世说新语 任诞》

◆意味:「一往」はひたむき。(日本では「一応」と言えばひとまず、ろもかく、などの意)一途で情に厚いこと。深く感動するとの意味もあります。

» 本文に戻る

 

 

不倒翁 / 起き上がりこぼし

◆中国語:不倒翁    [ bù dǎo wēng ]

◆意味:起き上がりこぼしのこと。周恩来総理は在任中27年間、様々な政治的困難に逢いながらも、亡くなるまでついに一度も倒れることがなかった。このため、こう呼ばれていたそうです。

» 本文に戻る

 

 

吃水不忘挖井人 /  吃水掘井人を忘れず

◆中国語:吃水不忘挖井人    [ chī shuǐ bù wàng wā jǐng rén ]

◆日本語表記:吃水不忘掘井人

◆意味:水を飲むときは井戸を掘った人を忘れてはならぬ

◆背景:毛沢東主席が江西省で革命を主導していた際に井戸がなかった村のために、井戸を掘りました。これに感謝して村では立てた碑にこの言葉を刻みこみました。中国の小学校の教科書にも載っているそうです。

 

» 本文に戻る

 

 

舍命陪君子 / 命を捨て君子に陪す

◆中国語:舍命陪君子  [ shě mìng péi jūn zǐ ]

◆日本語表記:捨命陪君子

◆出典:楚国 《羊角哀》

◆意味:命をかけて君子にお供する。(とことん付き合う、との意。)

» 本文に戻る

 

 

有朋自远方来、亦乐乎 / 朋あり遠方より来る、亦(また)楽しからずや

◆中国語:有朋自远方来、亦乐乎      [ yǒu péng zì yuan fāng lái, yì lè hū ]

◆出典:論語(学而)

◆意味:同じ思いをなす友が遠方から遣って来た。なんと楽しいことか。

» 本文に戻る

»「現場目線で読み解く 中国のことわざ・格言」もご覧ください。

スポンサーリンク

Follow me!