中国の【清明節】はお彼岸のよう 焼紙銭は亡くなった親への変わらない厚い思い

中国の東北部に位置する大連。長かった冬が終わり、空気が清々しく感じられるようになった頃、街角では路上のあちらこちらで何やら燃やしています。

中には風にあおられて飛んでいく燃え残りが、火事を起こさないか心配したくなりますが…

スポンサーリンク

清明節と焼紙銭

 爽やかな季節の到来と共に4月初旬の中国では清明節がやってきます。清明節は春節や端午節、中秋節と並ぶ中国の伝統行事です。清明節には、家族こぞって先祖の墓参りに出かけ、墓の周りの草をむしり掃除をして供え物をするという、紀元前から続く伝統行事で、お墓参りという意味では日本のお彼岸にあたるでしょうか。

 中国でも、一年の中でも最もよい季節ということもあり、清明節当日は墓地に向かう道路が車で渋滞することも珍しくないようです。

 その墓前で、或はお墓参りに行けない場合には街角の十字路で、「紙銭」を燃やすのが中国の風習です。亡くなった親族や先祖が死後の世界でお金に困らないようにと、願う気持ちが込められた「烧纸钱」と呼ばれる伝統習慣です。

燃やすのはもちろん本物のお金ではなく、本物を模した「紙」です。「紙銭」の他にも紙製の携帯電話などもあるようで現代の世相に合わせてこの伝統は生きているのです。

悲しみの葬式

 私は大連に駐在していた際に何度か現地のお葬式に参列しましたことがあります。たいていのお葬式は朝の7時半からと言った早朝の時間帯が多いので、参列と言っても実際には出勤前に弔問するような感じです。

 大連市郊外の火葬場に隣接された斎場に到着すると既に親族の方々が悲しみに暮れ、人目もはばからず号泣している姿を見ると胸が痛みます。親や友人を亡くした悲しみはいずこの国でも同じです。

 ただ習慣はかなり違っています。例えば服装はそんなには厳格でありません。そもそも喪服という概念がないのでスーツでOKです。

 とは言っても不幸事(中国語では“白事  ”)ですから白っぽい色調の服装でなければなりません。祝い事(中国語では”红事  “。色調は赤色)とは相対する色合いです。ネクタイなども要注意です。

 亡くなった人に着せる服や棺桶、冥钞と言われる紙のお金等々の葬儀用品店は街中にもあります。そのお店の看板にはよく「寿衣店  」などと書かれています。日本では「寿」はおめでたいことを指しますので一瞬「ん?」と思いますが、中国では長寿、長生きといったおめでたい意味の他に、亡くなった方に供える品物など、慶弔の両方の意味がありますので要チェックです。

 そんな「寿衣店」が大きな病院のすぐ横にあると少々驚きますよね。お見舞い用の果物屋さんなら理解できますが… (ま、合理的と言えば言えないこともありません)

スポンサーリンク

孝敬父母

 中国には「孝は百行の首(はじめ)」との古くからの言葉があり、親孝行が何よりも大切であると訴えています。

若い子供が年老いた親をおんぶしてレストランに入る、そんなシーンを何度も見かけたことがあります。何でも高齢となった親の誕生日を子供たちが集まって祝うのだそうです。日本ではなかなか見られない、微笑ましい光景です。

 論語には「親が生きているとき、亡くなった時、先祖を祭るとき、礼をもってあたれ」と、孝行について述べられています。子として親に対する感謝と尊敬の念を持つことの大切さを語っています。

 また、中国は概して自分よりも年長者を重んじる社会であるといえます。中でも自分の親に対しての尊敬の念は特別です。中国の結婚式のスピーチでよく言われる「孝敬父母」とは父母を敬い孝行せよとの意味です。苦労して子供を育てた親の思いに感謝する気持ちが溢れていて感動します。

スポンサーリンク

中国は縦社会

 1949年に建国された新中国は思想的には唯物論を奉じています。しかし、もともとは儒教の国であり、自分の親に限らず年長者を尊敬する考え方が生活の中に根付いています。ですから、会社にあっても部下社員よりも年齢の若い人を責任者に任命することは、できればしない方がスムーズな会社運営ができます。どうしても年齢が逆転する場合は、よほど注意しなければなりません。このような縦社会の上下感覚は日本にいてはわからないでしょうね。

☛ 「成功を収めるための重要ポイント 現場目線で見たツボ」 はこちら

◊本記事は清明節に関して記述していますが、中秋節に関しての記事もご覧ください。

»「中国の中秋の名月 天空の兎を眺めながら思うハニートラップやセクハラ…
»「悠久の中国・中秋節 同じ名月にも思いは様々 月餅を食べながら願うことは…

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言

烧纸钱 / 焼紙銭

◆中国語:烧纸钱    [ shāo zhǐ qián ]

◆意味:清明節や亡くなった家族の記念の日に「冥钞」「纸钱」を呼ばれる紙のお金を焚く習慣。亡くなった家族が、あの世でもお金に困らないようにと亡くなった親族を思い悼むもの。

紙銭は「冥钞  」[ míng chāo ]とも言います。

»本文に戻る

 

生事之以礼,死葬之以礼,祭之以礼 / 生けるときはこれに事うるに礼を以ってし、死せるときはこれを葬るに礼を以ってし、これを祭るに礼を以ってすべし

◆中国語:生事之以礼,死葬之以礼,祭之以礼   [ shēng shì zhī yǐ lǐ, sǐ zàng zhī yǐ lǐ, jì zhī yǐ lǐ ]

◆出典:論語

◆意味:親が生きている時には礼によって仕え、親の死後には礼に従って葬り、祖霊をお祭りする場合にも礼をもってすべきであるとの意。子として親に孝行するとは何かを説いたもの。現実社会にもこの考え方が息づいています。

»本文に戻る

 

孝为百行之首 / 孝は百行の首(はじめ)

◆中国語:孝为百行之首   [ xiào wèi bǎi xíng zhī shǒu ]

◆出典:颜氏家训

◆意味:親孝行はあらゆる善行の中でその第一番目となる。

»本文に戻る

☛ 「現場目線で読み解く 中国のことわざ・格言」はこちら

スポンサーリンク

 

 

 

Follow me!