五里霧中でも潜んでいる千載一遇のチャンス あわてることなど無用

 

「你已经习惯了吗?  」(もう慣れた?)

上海に赴任し少し経ったころ、合弁パートナーの方からこんな質問を受けました。

初めての中国で生活や仕事は如何ですか、もう慣れましたか? と私のことを気にしてくれている、ありかたいことだ。…と思っていましたが、どうもそうではなかったようです。

 

 

▮上海は強烈な自信と誇りを持つ

彼の質問の真意は、私は、総経理であったとしても日本人に合わせるつもりはありません。だからあなたが早く上海のやり方や習慣に慣れてください、というものだったようです。

それは自己中心的な考え方をはるかに超越した、上海人の溢れる自信と誇りが言わしめていると感じました。

 

上海の歴史やそれぞれの時代の中での立ち位置などを考えてみれば、みなぎる自信の背景が見えてきます。戦争と革命そして内乱や混乱が続き、その中で生き抜いてきた街が上海です。そしてその間ずっと経済の中心地として、時には世界経済を牽引してきました。

 

中国は自身を龍に喩え、その龍は強さと幸運の象徴と考えています。古来の皇帝にとっても龍は権力の象徴でした。日常でも龍は実力と気品を備えた人は龍に喩えられ、「望子成龙」ということわざもあります。

その中でも、上海人は自分たちのことを「龍の頭」というほどです。

 

私が赴任した1998年ごろでも、上海の人々の持っている自信と堂々とした余裕を感じました。豫園近辺や外灘周辺を歩くと、世界の中心に位置していたことの片鱗を感じることができます。そんなダイナミックな上海ですから、冒頭に書いたような上海人以外に対して一見「上から目線」の言葉のように思いますが、むしろ自信に満ち溢れた歴史と背景があるのだと思います。

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▮手探りで道を探す

そんな上海の今の市場規模は、私自身日本では経験したことのない巨大規模です。それに、私が赴任した当時は、あちこちでビルや道路の建設ラッシュ、舞い上がる砂埃、無秩序な車や自転車の行き来。それもこれもみな「動いている」ことを強く感じました。見たことのない大市場に呆然としました。加えて、やったことのない合弁企業の運営、言葉の壁によって自力による意思疎通ができない社員達とのコミュニケーション、お手並み拝見と高みの見物を決め込んでいる人たち…。

 

まるで野っ原に放り出されたような状態で、手探り状態で仕事が始まりました。

自信に満ちた上海の人々、一方で混沌としているように見えるこの街。会社の中の山積する課題…。いったい何をどうしたらよいものか、さっぱりわかりませんでした。これは「五里雾中」そのもの。

 

▮五里霧中の中に

そうであったにしても、私にとっては「千载難逢」のチャンスとして、まずは混沌とした世界への入り口を探すことにエネルギーを費やすことになりました。

深い霧の中でも、そこの空気を吸い、耳をそばだて、周囲を眺めているとわずかながらも薄明かりが感じられるようになります。

 

そう、先の見えない人生も同様で、焦ることはありません。強い気持ちと自分の信念を持ち、あきらめなければ道は必ず開けると信じたい。

そして、一歩一歩着実に前進していけばいつかは成功を勝ち取ることができます。

> 「成功のツボ カテゴリー別記事一覧」もご覧ください。

 

▮中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言を解説

望子成龙 / 我が子の成功を望む

◆中国語:望子成龙   [ wàng zǐ chéng long ]

◆日本語表記:望子成龍

◆出典:清·文康《儿女英雄传》

◆意味:父母が子供に臨む行動。わが子が出世し立派な人物になることを望む、との意。

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五里雾中 / 五里霧中

◆中国語:五里雾中  [ wǔ lǐ wù zhōng ]

◆日本語表記:五里霧中

◆出典:後漢書

◆意味:物事の様子や手掛かりがつかめず、方針や見込みが立たず困ること。事情などがはっきりしない中、手探りで何かをする意。

◆語源:後漢の時代の学者・張楷は五里にわたる霧を起こす仙術に通じていました。当時の桓帝の招聘に応じなかった張楷は、探しに来た役人を五里の霧の中に閉じ込め、方向が判らないようにしました。

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千载难逢 / 千載一遇

◆中国語:千载难逢   [ qiān zǎi nán féng ]

◆日本語表記:千載難逢

◆出典:韩昌黎全集.潮州刺史谢上表

◆意味:千年に一度しかめぐりあえないほどのまたとない機会のこと。千載一遇。

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一步一个脚印 / 一歩を歩けば一つの足跡を残る

◆中国語:一步一个脚印    [ yī bù yī gè jiǎo yìn ]

◆日本語表記:一歩一個脚印

◆出典:老舍《四世同堂》四十三

◆意味:脚印とは足跡のこと。一歩一歩着実である,一歩一歩着実に事を運ぶ。仕事ぶりが几帳面であるとの意。

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上海

•上海は言わずと知れた中国の直轄都市で且つ中国最大の都市で、中国の商業・金融・工業・交通などの中心の都市です。

•日本では江戸末期であった1865年には香港上海銀行が設立され、その後、欧米の金融機関が本格的に上海進出を推進しました。

•19世紀のアヘン戦争で中国がイギリスに敗れ、イギリス、フランスやアメリカの租界(特権的な外国人居留地)が設けられ、上海は一大歓楽街に。外国企業が支店を置き、各国の金融ビルが立ち並びました。

•また1930年代には作家や俳優が活躍、文芸の花が開いていきました。

•1992年の「南巡講話」をきっかけに、中国では市場経済化、グローバル化が進み、現在の高度経済成長時代を迎えた。

▮上海はどの時代にあっても中国、或は世界の中心地であった。

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> 「現場目線で読み解く 中国のことわざ・格言」もご覧ください。

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