爆竹を鳴らし【開門紅】を祈る 中国・春節の縁起担ぎ ぼやきも少し…

春節が間近になると街には春節用の飾り付けが施されイルミネーションが輝いています。時代の先端を行く企業であっても、社内のそこかしこに中国の伝統が。まあ、一年の中での最大最強のイベント。この日のために頑張ってきた、といっても過言ではないのです。

我が社でもこの時期には社内の落着きが薄れてきますがどうしようもありません。ある年のこの時期に、社員達がぼそぼそぼやいているのが聞こえてきました。わくわくする春節前に何があった…

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有利有弊

今でこそ中央政府からきちんとした休日の計画を発表されていますが、以前はそれほど厳格なものではありませんでした。地方政府が、「私たち(政府)は春節の日から七日間は休みです。(所用で来所しても誰もいませんよ)」という感じ。

多くの企業はそれに倣って休日を決めていました。

しかし、春節の前日(中国では除夕=大晦日)は、各家庭で買い物などの春節を迎える準備があるので、会社によっては出勤しなくてもよかったり、早く帰ったりと緩い運用をしていました。

いずれにしても各企業で決めた公式的な休みは春節の当日からで、大晦日は休みではなかったのです。

ところがある年から中央政府が「大晦日から七日間を休みとする」と正式に日程を決めて発表するようになりました。それまでは春節から七日間であったのですが…

つまり庶民にとっては、なし崩し的休みの大晦日が正式に休みとなったものですから、「実質的に一日休みが少なくなった」ということ。どうもそのボヤキであったようです。
しかし待ちに待った春節です。文句はほどほどにして「有利有弊」、何事も一長一短だということで納得したようでした。

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倒福

一般家庭や商店などの入り口ドアの外側に「福」の字をデザインした「福字」と呼ばれる飾り物を貼り付けるのが古くからの伝統。

倒贴福

さすがに一流の日系企業ばかりが入居するテナントビルの中にある我が社の入り口にはそぐわないのですが、オフィス内の例えば「財務室」には、会社が儲かりますようにとの願いを込めて財務担当の社員が「福字」を貼っていました。

この「福字」は、上下を逆さまにして貼っています。

「福が上下逆さまになっている」ことを中国語で「倒福」。それと全く同じ発音が「到福」という言葉。この意味は「福がやってきた!」というとてもめでたい言葉になります。言葉のしゃれと言えばそれまでですが、庶民が一家の幸福、平安であることを願う気持ちで上下逆さまに貼るようになったそうな…

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開門紅

七日間の春節休みが明けると仕事始め。この日、多くの企業では爆竹(中国では「鞭炮」)を鳴らします。仕事を始める前に爆竹を鳴らすので街を歩くとあちらこちらでものすごい爆音と煙、そして火薬臭。

我が社では従来、爆竹はやっていませんでしたが、中国人があまりにも嬉々として爆竹をしているのを見て、我が社でもやってみようかと社内の幹部に提案をしたところ、みんな大喜び。その時から始めました。

 

入居しているテナントビルのまん前では、他のテナントの日系企業の皆さんの手前、少々はばかるところがあり、道路を挟んで向こう側でやることにしました。

歩道に爆竹を並べて点火準備。4つの箱は打ち上げ花火。(2008/2/13)

 

あらかじめ決めておいた”爆竹リーダー”の指揮のもと、商売繁盛を願う「发财(発財)」という言葉にちなんで八時八分に点火するこだわりよう。爆竹のすさまじい轟音のもと、一年の事業の発展を願い幸先の良いスタートをするという気分が漂います。中国語では「开门红」と言いますが、やってみるとその心地よさが味わえますよ。

我が社では安全を第一とするため、水を張ったバケツを用意していました。終わった後には破裂した爆竹の紙屑の山ができます。これをきれいに掃除することを事前に社員と約束をしていました。見ていると、掃除をするおばさんが箒を持ってやってきました。少しお金を払って(当時は10元程度)掃除をしてもらうとのことでした。(自分たちできれいに掃除をして…と思っていたのですが、掃除のおばさんの商売繁盛を思う社員の気遣いにギリOK…)

そんな伝統習慣も昨今の大気汚染に押され市中では禁止されるなど、寂しさを伴った変化が出ているようです。

春節のイベントや習慣は古くからの伝統による縁起担ぎですが、それで社員が喜び、気持ちよく新年の仕事に取り掛かりいいスタートダッシュができるのですから、これもありというところでしょうか。

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一年の計は春にあり

日本では一年の計は元旦にありと言いますが、その語源となっているのが「一年之计在于春(一年の計は春にあり)」という中国語。

中国では企業の会計年度は1月から12月ですが、物事の切り替わりは今もって春節です。前年の12月には既に年間の事業計画や予算が作られてはいますが、それらを実現するための方策や運営手法など考えるのにはちょうど良い機会になっています。

 

頭が痛いのは、春節前は気もそぞろ、春節後は長距離移動などのお疲れでエンジンかからず、結局春節を挟んで約2~3カ月は業績の向上は期待できないことです。自社だけでなく国全体が同じです。

したがって、12月に作成する年間計画は、最初から実働9か月間で1年分の業績とする計画作りがコツ。春節前後の頑張りはプラスで計上できるというからくりです。

 

縁起担ぎと言えばそれまでですが、何千年もの長い間の伝統を引き継いでいて、現代の人々の思いがこもっています。この春節のために1年間頑張ってきた、同時にこれからの1年も努力してよい年にしようと、そんな思いを持った社員によって会社は構成されています。

「中国ビジネス成功の決め手 現場目線で急所を解説」の目次はこちら

成功のヒント 中国のことわざ・格言

鞭炮 / 爆竹

◆中国語:鞭炮  [ biān pào ]

◆由来:爆竹は1000年以上の歴史がありますが、当初は火薬や紙がなかったので竹を使って爆裂音を鳴らし、妖怪や邪気を祓おうとしたのが起源だそうです。爆竹の音が長時間持続するさまが鞭を打つ音に似ていることから、爆竹は一般的には「鞭炮」と称されます。今では春節以外に元宵節や端午節、中秋節といった他の節日や、結婚や誕生日、商店の新規開店などに欠かせない道具です。(一方で空気汚染の原因ともなり、どこでも自由にできなくなってきました)

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恭喜发财 / お金持ちになれますように

◆中国語:恭喜发财   [ gong xǐ fā cái ]

◆日本語表記:恭喜発財

◆出典:吴趼人《二十年目睹之怪现状》

◆意味:他人がお金持ちになることを願い祝福する言葉。

◆背景:日本人は「末広がり」という意味で「八」が好まれます。中国では、「八」とよく似た発音の「発」の字には、発展する、大きくなる、金持ちになるなどの意味があり、いずれも縁起が良いので、「八」→「発」とかけています。
ということで「八」は好まれる数字の代表格です。北京オリンピックも2008年8月8日午後8時に開幕しました。

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开门红 / 開門紅

◆中国語:开门红   [ kāi mén hóng ]

◆意味:滑り出しから優れた成績を収めること。幸先の良いスタートのことをいう。

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一年之计在于春 / 一年の計は春にあり

◆中国語:一年之计在于春   [ yi nian zhi ji zai yu chun ] yī nián zhī jì zàiyú chūn

◆日本語表記:一年之計在于春

◆出典:中国・明代の馮應京《月令広義》

◆原文:一年之计在于春,一日之计在于晨, 一家之计在于和,一生之计在于勤。(一年の計は春にあり、一日の計は朝にあり、一家の計は和にあり、一生の計は勤めにある)

◆意味:生活を充実させるための、四つの計画のうちの一つ。

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有利有弊 / 利あらば弊あり

◆中国語:有利有弊   [ yǒu lì yǒu bì ]

◆出典:陆文夫《被女性化的苏州人》

◆原文:“世间事总是有长有短,有利有弊。”(何事も一長一短、メリットがあればデメリットもある)

◆意味:一長一短。痛しかゆし。

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「現場目線で読み解く 中国のことわざ・格言」はこちら

 

 

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