「先憂後楽」は日本のお家芸 でも中国から伝わった

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中国では、まず握手をして物事を始める。

一方、先に取り決め事を細かく決めた後、意見を一致させ握手をするのが日本流。先に握手をする、後から握手する、どっちがいいのか。

日中で物事へのアプローチの仕方が全く違います。どう対応する?

 

 

▮「先憂後楽」と「先楽後憂」

中国の地において日中共同で事業を始めようとする場合、多くはまず握手をし、食事を共にし、お酒を飲みながら、お互いの気持ちがほぐれたころに、「じゃあ、事業を共同で始めましょう!」という流れが普通です。

つまり、細かいところは必要に応じて相談し決めていけばよい、まずは走り出しましょう、ということです。

もちろん、大まかなところは事前に事務レベルですり合わせをしています。

 

日本流は、こんな時はどうする、こんなことが起きたら誰が担当する、等々、仔細にわたり事前に相談し取り決めを行います。日本でよく言われる「先憂後楽」の考え方です。

 

もちろん、周到な準備を行うことはとてもよいことだと思います。

それの考え方に対して、中国側は、起きるかどうかもわからない問題について、先に考えるのは時間の無駄であるので、起きてから考えればいいじゃないか、と言わば「先楽後憂」。

中国から出た「先憂後楽」という言葉は、中国ではなく日本で息づいています。

 

▮際立つ日本のスピードのなさ

相手は即決主義。日本はというと、現地の責任者である総経理(社長)の後ろには日本本社が控えています。したがって、一つひとつ本社にお伺いを立てて、しかる後に中国側に回答をすることになります。

 

それが中国側から見ると、時間がかかり日本はやることが遅いと言われることになります。加えて、中国側が相対している日本側の責任者には何の権限もないと映り、軽く見られてしまいます。

 

イラついた中国側は、この共同事業の話がうまくいかなくたって、別にどうということないよ、と一時の熱は冷めてしまい、それが日本側からは「何だよ、中国側は…」というすれ違いが始まってしまいます。

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▮日本本社が全権委任…、するわけない!

じゃあ、どうする、この問題?

 

ひとつの方法は、日本本社が現地の総経理(社長に)全権委任をする、という方法があります。そうすると、総経理は自分の権限で即決の対応が可能になります。

但し、コンプライアンスを(必要以上に)重要視する日本本社が、本社の重役クラスを全権委任者として配置するケースくらいしか考えられませんよね。

一般の課長、部長クラスを総経理として派遣し、全権を委任してもし問題が発生すれば本社が責任を問われます。

本社経営サイドにはそんな覚悟があるとは到底思えませんので、この方法は現実的ではありません。

 

結局、現地の総経理が日本本社と事前にコンセンサスを取りながら、経験という物差しを使って即決をしているような対応を中国側と行うことが精一杯ということになります。

 

▮問題が発生することを覚悟

そこそこの内容を事前に日中で相談をしても、往々にして日本側が満足をするような詳細までの決め事には至りません。

どこかで、「えいやぁ!」と決断をすることになります。

そんなことで、日中間の話し合いで決めたことは、いずれそのうちほころびが出て、問題が起こるのは必至です。

 

したがって最善の対策は、問題が起こるであろうことを認識して、そのことを前提に事業を進めることにある、ということです。

 

但し、気を付けなければならないのは、問題が発生した時に、中国側に質しても「没问题(問題ないよ!)」で、その時は終わってしまいます。

しばらくしても変化が見られず、再度質すと「没办法(仕方がないんだ!)」と開き直られておしまい。

 

だからこそ、最初の話し合いに時間を費やすよりも、早く行動に移して走りながら後のことを考えるのが中国では賢明ではないかと思います。

それは合弁を組む時も同じで、仮にうまくいかなかった場合はさっさとその合弁を解消し、独資形態に改めるなり、別の合弁パートナーを見つけるなりすればよいということです。

▶「成功のツボ カテゴリー別一覧」もご覧ください。

 

▮中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言を解説

先忧后乐 / 先憂後楽

◆中国語:先忧后乐   [ xiān yōu hòu lè ]

◆日本語表記:先憂後楽

◆出典:漢代 刘向《说苑·谈丛》

◆原文:「先忧事者后乐,先傲世者后忧。」宋の范仲淹《岳阳楼记》には「先天下之忧而忧,后天下之乐而乐。」とあります。

◆意味:国家の安危については人より先に心配し、楽しむのは人より遅れて楽しむこと。 志士や仁者など、りっぱな人の国家に対する心がけを述べた語。

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小人之过也必文 / 小人の過つや必ず文(かざ)る

◆中国語:小人之过也必文   [ xiǎo rén zhī guò yě bì wén ]

◆日本語表記:小人之過也必文

◆出典:論語

◆意味:小人は失敗すると言い訳をしたりその場を取り繕う。言い訳ばかりだと原因がつかめず、同じ過ちを繰り返すことになる。学習効果が出ない。

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▶「現場目線で読み解く 中国のことわざ・格言」もご覧ください。

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