性悪説を唱える韓非子も驚愕! いくら何でもこんな社内カンパニーは

 

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中国に進出した日系企業でよく発生する問題のひとつに、社内の物が不正に外部に流失することがあります。

トイレットペーパーからその企業の試作品に至るまで、対象になるのは様々で、笑ってはいられないものばかりです。

庶民の生活レベルが上がっては来ていますが、企業にとってその種の悩み事は昔も今も変わらないようです。

これも中国でビジネスを成功させるために、立ち向かわねばならない問題ですが…。

従業員1000人規模の、中国でも比較的大規模のある日系の工場で実際にあった出来事です。

ある時、日本人管理者が、原材料の出庫量と製品出荷額がアンバランスであることに気がつきました。

しまった、材料を抜かれた!

それにしても、原材料の出庫と製品出荷の差が大きすぎます。原因を調べていくと、とんでもないことがわかってきました。

日本人管理者の皆が驚愕したその事件は…

 

 

 

▮日系企業の特性がつけ込まれる

中国の現地において、多くの従業員を抱える企業では、少なからず一定の人数が退職し、その補充のために中途採用をしなければならないことが日常化しています。よって、ほぼ年中にわたって採用面接を行っています。

一方で、日本製品は品質が良いことは誰でも知っていますし、この企業もそんな日本を代表するような一流企業です。

日系企業は中国企業に比べて管理が厳しい、とはいっても日本人は基本的には性善説、人を容易に信用し信頼します。

 

そんな特性を持つその工場で、起きた原材料流出事件、内部で調査はしましたが、その量が大きく原因や詳しい経過がどうにもわかりません。やむを得ず警察に委ねました。すると、驚愕することがわかってきました。

 

▮とんでもない社内カンパニーが

何と、不正を働くチームが社内に組織されていたのです。

原材料を管理する係、生産ラインを担当する係、等々主要個所にその一味の構成員が配置されていました。
正規の原料を使い、生産ラインを動かし、出来上がった製品を外部に横流ししていた、ということです。

それも、24時間操業の工場で、製造ラインを管理する日本人幹部が不在時などの夜間の時間帯が狙われたようです。

外には製品を売りさばく「営業員」もいたそうです。原料も生産ラインも「本物」を使っていますから、品質は正規ルートで出荷されたものと全く同じで、しかも価格は正規品よりも格安ですからよく売れた、ということです。

 

驚くべきは、そのことではありません。彼らは、何人かの悪徳社員が共謀して悪巧みを働いたのではなかったのです。実は、最初から日本製品を横流しして稼ぐという悪事を働くことを目的に、何人かが社内に入り込んだ、というのです。

 

彼らは従業員募集の際に正式に応募し、面接に合格して入社したれっきとした社員でした。会社からは給料をもらい、その一方で製品を横流しすることで不当な利益を得ていたのです。

いわば彼ら一味によって不正を働くことを目的として構成された「社内カンパニー」。超一流企業でも、そのような計画的、且つ周到に仕組まれた企みたくらみにはひとたまりもありません。

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▮安易に信頼すると成功の可能性は低くなる

国主にとって用心しなければならないことは、臣下を信用してしまうことだ。」と韓非子は言っています。つまり、彼の言によると社員は信用するなということになります。

 

社員募集の面接のときには、細心の注意をもってその応募者の人となりを観察しているとは言っても、10分程度の面接ではその応募者が信用できるかどうかを判断することは到底無理です。

 

元々、ある人を「信頼」するときには、その人を「信用」できる、それなりの根拠が必要です。例えば、過去の実績や業績などですが、それがほとんどわからない状態で、短時間の面接だけで「こいつは良さそうだ。」と期待を込めて採用をしているのが現実。そこのツボを外しては中国でのビジネスの成功は難しいと言わざるを得ません。

 

 

▮社員を信用・信頼しないのは社員のため

ある意味で、信用できるかどうかわからない応募者をちょっと見ただけで社員として採用しているわけですから、普段のマネジメントや接し方にも一考を要します。

確かに、年々中国老百姓(一般庶民)の生活は向上しています。彼らも、金に困って「社内カンパニー」を作ったのではなく、手っ取り早く金を手にするためであったということです。

 

普段、社員と接するときには、彼らはハイハイということを聞いているけれど、裏で何か企んではいるかもしれません。これが韓非子流の考え方です。

社員というある種の身内を信じないという、日本人には、馴染みにくい考え方ですが、中国でビジネスを成功させるためには外せないツボだといえます。

 

むしろ、社員をむやみに信用しないことは、社員が悪事に手を染める可能性を低くすることになり、結果として、彼らは社員であり続けることができる。

同時に目標である中国ビジネスを成功に導くことができるというものです。これこそが「自他共」の精神ではないでしょうか。

 

加えて、総経理(社長)はもちろん、その下のマネジメント層の幹部は決して隙を見せないことが肝要です。社員に対する笑顔の中に、会社として、責任者としての厳しさを周囲に感じさせることが必要です。

icon-arrow-right成功のツボ カテゴリー別一覧」もご覧ください。

 

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▮中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言を解説

人住之患在於信人 / 人主の患いは人を信ずるに在り

◆中国語:人住之患在於信人   [ rén zhù zhī huàn zài yú xìn rén ]

◆出典:韓非子(備内編)

◆意味:一国を治める責任者であるトップとして、警戒すべきは臣下を信用・信頼してしまうことである。部下の前では絶対に隙を見せないこと。

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