座っていてはわからない実態 漱石枕流に勝つには現場に行かないと

 

ある時、某日系企業の工場を訪問した際のこと。

ゲートの横の警備室にあった監視カメラのモニターが目に入りました。よく見ると、そのモニターテレビの画面が真っ黒。

もし、電源が入っていないのでは、意味がないと思い、そこにいた警備員に尋ねると意外な答えが。

「カメラが壊れているから映っていない。」のだと。いつからこうなっているのかと、重ねて尋ねると「ずっと前からだ。」とのこと。

せっかく多額の費用をかけて取付けたはずの設備なのに、もったいないことです。

そんなことになってしまったのはいったい何故?

 

 

▮監視カメラのモニター画面が真っ黒 いったい何が

実はここの警備員氏は、こうも言っていました。

「故障したら報告するようにと総務部長から言われていない。だから私たちにはミスはない。」と。

悪いのは何も言わない管理者の方だ、といわんばかりです。

もちろんそれは会社の資産であり、特に自分たちの業務を遂行するために使っているのです。
その設備が壊れたら直属上司に報告するのは当たり前のことです。それを言われていないから報告もしないとは、「無責任」も甚だしいことです。呆れてしまいますが、しかし、彼は平然とそう言ってのけるのです。

理屈の通らない言い逃れがまかり通る、悲しいことですが、それが中国ビジネスの現場の実態なのです。

 

▮経営層が現場に無関心…

更に気になったのは、その工場の経営層は警備室の実態を、まったくご存じではなかったことです。現場からそういう報告は上がっていないともおっしゃっていました。

大変失礼ではありますが、経営幹部は口では安全だ、防犯だ、などと会議や朝礼で強調しますが、現実は現場に対して大きな関心はなく、現場との乖離が見て取れる会社が少なくありません。ある意味でこういう経営層の態度も「無責任」といえます。

これでは、中国ビジネスで勝利を勝ち取ることは無理な話です。

 

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▮片手間では何事も…

欧米やアジア、中国などでは自社の工場などの安全は、会社内でも独立した部門がつかさどるのが普通です。セキュリティオフィサーと言う名の専門家を配置し、安全面に目を配っています。それだけ会社として安全を重要視しているといえます。

一方、日本は安全を管理する仕事は、総務部などにくっつけられた片手間の仕事。日本国内でごく普通の中堅社員が、現地に総務部長などの肩書をつけて派遣された社員の仕事になっていることが多いようです。そもそも警備の素人が、中国現地の警備員を管理するのは土台無理な話です。

中国ビジネスを成功させると言う目標を持つのであれば、それなりの体制を作るべきです。それが現場目線で見出したツボです。

 

▮現場主義は日本以上に重視

同時に、現場に出て実態を見よう、ということが経営幹部にとって大事な取り組み姿勢です。

いつも映っているのに今日は映っていない、いつも閉まっているドアが今日は開いている、など、
空調のきいた静かなオフィスではわからないことが、現場に出ると見えてきます。

一を聞いて十を知る、ということわざの対極にあるこのような、現地の社員達をマネジメントする立場として、
「報告がない」ということを言い訳に使うのではなく、自ら現場に足を運ぶ。それが中国ビジネスを成功させる重要なツボであります。

中国での現場主義は、日本国内以上に重要です。

 

▶「成功のツボ カテゴリー別一覧」もご覧ください。

 

▮中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言を解説

漱石枕流 / 石に漱ぎ流れに枕す(そうせきちんりゅう)

◆中国語:漱石枕流   [ shù shí zhěn liú ]

◆出典:宋书(宋書)

◆日本語書き下し:石に漱(くちすす)ぎ流れに枕せん

◆意味:自分の誤りを認めずに、負け惜しみから理屈の通らない言い逃れをすること。

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▶「現場目線で読み解く 中国のことわざ・格言」もご覧ください。

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