所変われば品変わる 中国で驚きの出来事も今では笑い話

 

私は、会社の命により、中国の子会社の総経理(社長)として上海へ、そしてその後大連に赴任しました。

まったく知らない土地、一面識もない現地の社員の皆さん、そこへ行けという社命は、サラリーマンにとっての国替のようなものです。

所変われば品変わる と言われますが、そこで生活を始めると、経験したことのない習慣や風習が多くあり驚かされます。

例えばこんなことが…

 

 

▮上海の美髪店(散髪屋さん)で

中国では「理发店(理髪店)」や「美发店(美髪店)」と呼ばれる散髪屋さんがたくさんあります。

それも、路地裏の道端に椅子だけおいてやっている青空散髪から、コーヒーが出て、通訳までいるような高級店まで様々です。中国ではとても幅広い選択肢が用意されているので、消費する方も自分に合った選択をすることが可能です。

事業者目線から言えば、自社のビジネスを成功させようとするときにも、ターゲットをある程度は絞らなければ商店がぼやけてしまいます。例えば富裕層受けとか、一般大衆向けとか。ダブルスタンダードという考え方もありますが、うまくやらないと総花的で終わってしまいかねません。

さて、その散髪屋さんの話ですが、多くは男性も女性もOKです。日本ではごく普通の散髪屋さんしか知らないおじさんの私は、若い女性のお客さんの隣の席に座っていることが、なんか気恥ずかしかったことを覚えています。

 

現地に赴任し1カ月もたつと髪が伸びてきて、どうしても散髪をしなければならなくなりました。

初めて一人で中国の散髪屋さんに行くことになった時のことです。中国語の勉強を始めたばかりで、どう言えばよいのか、前日に中国語の先生に尋ねました。

先生は、「原来一样。」と言えばよいと教えられました。元の通りに、とか、今迄のまま、といった意味です。

 

習いたてのその言葉をぶつぶつ言いながら、目指す散髪屋さんに入りました。比較的高級店です。

案内された席に座って待っていると、間もなく若い女性店員さんが来てシャンプーを始めました。シャンプーと言っても、むしろ頭皮のマッサージです。

とても気持ちのよい15分くらいがたって、洗い流してシャンプーは終了。

 

▮原来一样 (元のとおりに…)

少しすると、理髪師がやってきました。中国では、「师傅」と呼ばれ、専門技術を持った専門家を意味します。

その「师傅」が、どのようにカットしましょうかと尋ねますので、私は昨日習った通り「原来一样」(元のとおりに)と答えました。

 

理髪師は怪訝そうな顔つきで「元はどんなヘヤスタイルだったのかわかりません」と。

私は、さっきまでのシャンプーによって、毛がくしゃくしゃになっていることに気がつきました。

 

難儀してカットを済ませ、翌日の中国語授業の時に、先生にその時の様子を話しました。先生は大笑い。次からは「短一点」(短めに)、と言えばどうか、とアドバイスをくれました。

なお、カットをしてくれる技師は技術レベルによって値段が違い、客が指名することもできます。また、顔剃りはありません。(顔剃りはない方が中国では安心…?)

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▮大連の歯医者 日本人はカモネギ…?

人間は生身。15年近くも中国にいると体の不調を感じることもあります。中でも狭心症の発作で緊急入院、カテーテル手術をした「大事件」は別の機会に話すとして。中国で歯医者に行った時のことを…。

 

ある時、歯がとても痛くなり我慢できず、地元の歯医者に行きました。中国では歯科のことは「牙科」といいます。歯が「牙(きば)」とは面白いですね。

 

電話をしてその歯医者に行くと、なんと、医師の先生が玄関で出迎えてくれました。その先生は日本へ留学経験もあるとのことで、日本語を話します。

何人かの順番待ちの患者さんがいましたが、その脇を抜いて治療用の例の椅子まで、自ら案内をしてくれました。

大きな声では言えませんが、治療単価が高くて儲かる日本人の患者は、「カモがネギをしょってきた」、といったところでしょうかね。

 

椅子に座り、上を向いて口を大きく開けて治療中に、順番待ちの他の患者が私の口をのぞき込んでくるのです。

これでは、プライバシーも何もあったものではありません。あっちへ行け、と心で叫びつつも、口を開けたままでは抗うこともできません。

 

医師が治療器具について、国産か日本製か、どっちにしますかと、聞いてきます。口を開けていた私は、「あわぁわあぁ」と日本製を指さし、もう大変。

 

中国の歯医者は、治療に2~3時間をかけ、その代わり一回で治療を終えます。

治療費については一旦全額を支払いますが、日本で手続きをすれば7割ほどが還付されます。

その手続きに必要な領収書をお願いしました。そのお医者さんは、「金額はいくらで書きますか?」と。

唖然とした私は気を取り直して「実額で書いてください。」

中国には日本とは違う習慣や風習がたくさんあり、おたおたすることや、唖然とすることの連続です。

所変われば品変わる。

一つひとつに目くじらを立てるのではなく、そんな中国での驚きをむしろ楽しむ余裕が、中国でのビジネスの成功につながっていくことを忘れまい。

▶「成功のツボ カテゴリー別一覧」もご覧ください。

 

▮中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言を解説

百里不同风,千里不同俗 / ところ変われば品変わる

◆中国語:百里不同风,千里不同俗   [ bǎi lǐ bù tóng fēng,qiān lǐ bù tóng sú ]

◆日本語表記:百里不同風、千里不同俗

◆出典:史记。

◆原文:“一般谚语说,叫百里不同风,千里不同俗。”

◆意味:土地が変われば風俗習慣も異なる。

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▶「現場目線で読み解く 中国のことわざ・格言」もご覧ください。

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