中国の新人類 わがまま【小皇帝】 どうすれば戦力化できるか?

ある時、更なる業績向上を狙ってセールスキャンペーンを企画しました。
成績優秀社員に対するご褒美の商品も準備しました。そして気合を入れてスタート!

結果はというと意外にも…

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散々な結果

我が社の業績が一定のレベルにまで上がってきたとき、「さらに上を目指すには?」と㈱社員に問いかけかけました。

すると「営業活動(セールスキャンペーン)をやったらどうか」という意見が出され、実行することにしたのです。

ところが、結果は散々でまったく盛り上がらず、その月の営業成績は平常月と変わらない平凡な結果で終わってしまいました。

ということは、準備した賞品分だけ足が出てしまったのです。(やらない方がよかった…)

これって一体どういうこと? 実は大事な側面を見落としていました。

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六つのポケットを持つ小皇帝

考えてみれば、今の中国の都会育ちの働き盛りの若者は一人っ子政策下で生まれた人が大半です。

1979年からスタートした一人っ子政策は2014年に緩和されるまで厳格に運用されていました。

経済発展前の混沌とした時代を、必死に生きてきた両親や祖父母からの愛情を一身に受けて彼らは育ったのです。ポケットを六つ持つ(両親とそれぞれの祖父母の計6人から庇護を受けていた)と揶揄されるほどの贅沢を常としていました。

日ごろからおいしいものを腹いっぱい食べ、パソコンやスマホ、果ては自動車まで親から買い与えられている満腹世代。そんな環境の中で何不自由なく育ってきた「小皇帝」達です。

会社の経営幹部たちは、とにかく空腹を満たすことを喜びとし、苦労してマンションや車を買った親世代。そのハングリー世代が考えた「賞品」では、小皇帝(若い社員)は動かなかったということです。

会社幹部がもらってうれしい物は、若い世代の社員達はすでに手にしていたのです。彼らのことをあまりよく分かっていなかったのかもしれません。「今どきの若い者は…」といったところでしょうか。

中国版新人類の台頭

日本では30数年前に「新人類」という言葉が流行りました。辞書によれば、従来とは違う価値観や感性を持った若者世代のことをいうそうです。

中国では俗に「90后」と呼ばれ、いわば中国版新人類ということになるでしょうか。

1990年以降に生まれた「90后」の青年たちが我が社の社員のほとんどを占めるところまでになってきていました。

彼らは、育った環境がそうさせたのか、とにかくわがままで忍耐力も弱く、何かあるとすぐやめてしまいます。仕事中に、「ボク、今、辞めます」と言って去っていたこともありました。

結果として定着率が悪くなり、必要に応じて中途採用を行い欠員を補充するのですが、現業部門の1/3くらいが常に新人といった状況となっていました。

事業発展を左右する新人類社員

しかし、考え方の知れない若者達のことをボヤいてばかりいられません。

なんだかんだ言ってもそういう若い世代の社員に活躍してもらわないと、会社の発展はあり得ないのですから。

そこで従来にも増して必要なのが、現場におけるマネジメント力ではないでしょうか。

そういう新人類世代も含めて、各世代の社員にそれぞれ動いてもらうにはどうすべきか、という問題を考えることができる、経験が豊かな経営層幹部が必要です。

中国の古典にある「游刃有余」という言葉のように、余裕綽々で事に当たることができるような経営幹部になることが必要なのです。

つまり現場経験、特に中国での現場マネジメント経験の浅い深い、巧拙が事業運営に大きな影響を与えることになります。

また、このアバウトな社会で、「墨守成规」のことわざのような古いことに固執し、ちっとも変わらないようではすぐに孤立してしまいます。現実に対して柔軟に考えて対応することが不可欠だと思います。

若者世代との違い、中国との違い、つまり相手を認め積極的にこちらから近づいていく積極姿勢がないと、その違いは乗り越えられません。消極的な姿勢ではただ見ているだけに終わってしまいます。彼らの側へ越えてはいけないのです。

日本から派遣された経営者たる者も、自分の子供のような若手社員のことを嘆くまえに、不明の経営者とならないように自らが変わり、頭を柔らかくすることが何より大事だと私は考えます。

何を考えているのか、わからない新人類社員が活躍する会社にするのは、総経理(社長)や経営幹部の仕事です。そして、その努力は、結果として自分の成長にもつながることです。

「中国ビジネス成功の決め手 現場目線で急所を解説」の目次はこちら

 

成功のヒント 中国のことわざ・格言

小皇帝、小公主、90后

◆中国語:小皇帝,小公主,九零后    [ xiǎo huáng dì, xiǎo gong zhǔ, jiǔ líng hòu ]

◆解説:「小皇帝」とは一人っ子政策以後生まれた男児のこと。女児は「小公主」と呼ばれる。世代としては1980年代~1990年代に生まれたため、80年代生まれは「80后」、90年代生まれは「90后」と呼ばれる。

・「小皇帝」世代は、「改革開放」による消費社会が現出してから生まれ、その中で成長してきた。そのため、ファッションなど流行に関心が高く、考え方は楽観的である。

・彼らには「6つのポケット」(※)があり、また物も豊富にある環境の中で育ったため、自

分の好きな物を集め、好きなものを食べ、それが当たり前だと思っている。

※両親と祖父母からの資金と愛情を一身に受けることの揶揄。

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墨守成规 / 墨 成規を守る

◆中国語:墨守成规   [mò shǒu chéng guī]

◆日本語表記:墨守成規

◆出典:明·黄宗羲(钱退山诗文序)

◆意味:「成規」とは昔からのやり方のこと。古いしきたりに固執し、変わらないこと。古い習慣を固く守り融通がきかないこと。杓子定規。

◆語源:戦国時代,墨子(墨翟(ぼく てき)が城を守ることに長じたことから、後に「墨守」を固く守るという意味に使われるようになりました。

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游刃有余 / 遊刃(ゆうじん)余地有り

◆中国語:游刃有余   [ yóu rèn yǒu yú ]

◆出典:庄子(养生主)

◆意味:熟練した技術、豊富な経験があり問題を解決にも多くの力を必要としない。余裕綽々で事に当たることの例え。

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「現場目線で読み解く 中国のことわざ・格言」はこちら

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