一生懸命頑張ります、と言った数日後に彼は辞めた 大言壮語? 帰属意識はどこに…

 

信頼をし、頼りにもしていたある中国人社員。流暢な日本語で「総経理(会社)のために一生懸命頑張ります。」と頼もしく言っていました。

が、そのわずか数日後、彼は突然会社を辞めました。なんじゃこりゃぁ…。いったいなにがあった?

 

▮感じられない忠誠心

よくよく聞いてみると、その時の彼の給料の2倍を出す会社が見つかったので、彼はそっちに行ったとのことでした。一般的には、日系企業の当時の給与水準は国内企業よりかなりよく、なかなかの人気でしたが、米国企業はそれよりはるかに高く、米国系企業で働くのは中国人にとってある種の憧れでした。

 

彼の威勢の良い言葉は大言壮語か大口をたたいたのか。給与額を自分の能力に対する評価としてとらえるのなら、日系企業よりも2倍もの評価が得られる米国企業に移るのは無理からぬことです。彼は現実を選んだということです。残念ですがやむを得ないとの理解をしました。

 

こんなこともありました。何人かの営業員が成績や性格のそぐわないなどの理由で退職しましたが、その際に顧客や見込み客の名刺を持ったまま辞めていくのです。会社から給料をもらって営業の仕事をして、得た情報は会社の物であるはず。

しかし彼らは、自分が知りえた営業情報は自分の物だ、辞めるときに持って行って何が悪いのか、という認識でした。

 

▮希薄な帰属意識

一般的には、彼らは会社に対する忠誠心や帰属意識は極めて薄いといえます。

例えば、国の規定の社会保険などの福利は通常給料から天引きされますが、社員に中には、天引きをせずに相当額を現金でほしいという、要望を出す社員もいます。それは会社としてはできないので断りますが、国に対してでさえ、実は帰属意識の薄さを感じる言動が時々あります。

 

古来、内戦を繰り返し、味方であったはずの人から裏切られるなどの長い歴史の中で、頼れるのは自分だけという考え方が身に沁みついているのかもしれません。

他人を当てにするな、という社会で、彼らは育ってきていることを理解しなければなりません。

ある意味、皆は生きていくのに、頼れるのは自分だけだ、自分の身は自分で守るという古来の習慣が根付いているのだと思います。

我々の目の前にいる人は、そういう人達だということを、認識すべきです。

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▮個人主義の世界で

彼らは、個人をベースにいろんなコミュニティを持ち、生活をしているのです。人脈は命、財産に次ぐ大事なもので、もちろん会社よりも大事、と考えているはずです。

日本では名刺管理システムで情報を社内で共有するのが当たりまえですが、帰属意識の希薄な中国では、名刺のように自分で集めた貴重な情報を共有するなんてことはあり得ない、ということでしょうか。

 

良くも悪くもそういった個人主義の土壌で、我々はビジネスを営み成功させなければならないのです。

「団結」や「団体戦」が得意ですが、個人主義も理解し評価すべきであると思います。

 

▮総経理も個人主義を取り入れよう

会社では、「団結して取り組もう!」等とは言いますが、一方では、総経理も顧客や政府機関との個人としての関係を築くことが大切になります。

 

日本のように「〇〇〇会社の誰々さん」ではなく、「親しくなった誰々さんは、〇〇〇会社の人」といったイメージでしょうか。「個人」が先行しなければなりません。

 

それが、結果として会社を守り、社員やその家族を守ることになります。自信を高める個人主義は悪くはないと私は思います。個人として力をつけることは、結果として会社のためになるのですから。但し、利己主義では支持は得られませんし、支持もできません。

そして、経営マネジメントや会社施策を検討する際には、社員には帰属意識はない、という前提で考えなければなりません。

>「成功のツボ カテゴリー別一覧」もご覧ください。

 

▮中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言を解説

人を恃むは自ら恃むに如かず

◆中国語:恃人不如自恃人   [ shì rén bù rú zì shì rén ]

◆出典:韓非子

◆意味:他人を頼むより自分を頼め。「恃む」とはあてにすること。他人を頼むことは愚かであり、それよりも自分を信じ、自分の力で解決する以外にない、ということ。

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大言壮語

◆中国語:豪言壮语  [ háo yán zhuàng yǔ ]

◆出典:玉堂丛语·一·文学·丘濬

◆意味:文字上の意味は、気迫のこもった言葉,勇壮な言葉の意。できもしないのに大きなことを言うとの意もあるようです。

◆大口をたたく、大言壮語を意味する中国語に「夸海口」があります。「夸」は誇張すること。夸海口 

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>「現場目線で読み解く 中国のことわざ・格言」もご覧ください。

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