一か八か それでいいのか日中共同経営 成功のキモはどこに…

 

中国でビジネスを展開する形の一つとして合弁会社を設立することが多くあります。もともと中国資本と外資が共同出資して設立し、共同して運営をするのが合弁会社です。

当初は、日中の双方が互いに目的を持ち、利害が一致した時に合弁契約を締結、熱い握手を交わし、スタートしたはずです。

その後の現実は、日常的に運営がぎくしゃくしている企業や、両者の意見の相違により合弁が破綻、撤退してしまった例など枚挙にいとまがありません。

設立当初はバラ色の未来を思い描き、双方が熱い約束を交わしたのに…。

そして、その危うさは何も合弁形態に限らず、個人での起業・共同経営にも言えることで、規模の大小に関わらないようです。

どうすればよい…?

 

 

▮共同経営には元々爆弾(?)が仕掛けられている

元々、合弁とは中国において外国資本と共同で事業を展開すること。日中でいえば双方がそれぞれ得意とするものを出し合い、無いものを補完し合う。その利害が一致して成立します。

 

きっかけは様々でしょうが、双方が「事業を共同でやろうか」という意向があって、合弁に向けた協議が始まります。

日本側は、あらゆるケースを想定して、細々とした問題に至るまで事前に話し合いを重ね、納得ずくで合弁契約を締結したいと考えるのが普通です。

しかし、そんなことをすれば中国側は痺れを切らしてしまいます。何と言っても、土俵は中国であり、そこには中国が世界の文化,政治の中心であり,他に優越しているという意識がはたらいているのですから。

 

結果としては、日中双方がそこそこ納得した段階で合弁契約を締結することが多くなります。

十分な事前協議ができないままで、それぞれが成功した暁の、異なる夢を見ています。同床異夢とはまさにこのことで、それぞれが思い浮かべるその会社から得られであろう利益など、期待するところについては、必ずしも同じではありません。さらに国や環境の違いは如何ともしがたいギャップを生んでいます。

ということで、いつ爆発するかもしれない爆弾を内包したまま見切り発車を余儀なくされるというのが現実です。

 

 

▮日中の意見の相違を前提

業種業態によっては合弁の煩わしさを回避するために、途中で運営不全に陥ったときには、思い切って独資に改編することも一つの方法です。

しかし、現地マーケットを対象としている企業の場合、独資ではなかなか思うように業容が拡大できません。例えば外資排除を目的とした規制などによって、自由な事業活動が阻まれたりしてしまいます。

その場合、中国側の地元社と組んでいる合弁は、事業拡大のために何とかして維持しなければなりません。そのための思案をする場合には、日中それぞれに意見の相違があることが普通である、ということを前提としていなければならいといえます。

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▮合弁とは「先上車後補票」

厄介なもう一つの問題は、合弁を組もうとしている相手が、タッグを組むパートナーとしてふさわしいのか否か、です。

しかし、これは時間をかけないとなかなかわかりません。中国には「一緒に長くいるとその人の心がわかる」という意味ことわざがあります。

 

しかし、今のスピード時代にそんな悠長なことも言ってはいられませんので、合弁を組む決断をする時には相手のことを一応調べたりするなど検討を加えはしますが、最終的にはどうしても「一か八か」で進めることになります。いわば「できちゃった結婚」のようなもので、意気は投合したけれど、その先、うまくいくかどうかは別の問題。

 

共同経理がスタートして、いずれそのうち日中双方の投資者間で思惑の違いからギクシャクするときが来ます。そんな時でも、呉越同舟とばかりお互いが協力して困難を乗り越える努力ができればこんな喜ばしいことはないのですが…。そうはうまくは行かないのが現実です。

 

日本本社サイドは、「えいやあ」で決めて見切り発車し、現地に派遣する総経理(社長)に後は頼むぞと肩をたたき、お気楽なものですが、現地の総経理(社長)はそう簡単ではありません。

 

考えてみれば、もともと合弁契約締結時から問題を抱えているわけですから、成功のツボはむしろ合弁成立以後にあると考えます。

つまり、中国現地での事業運営の実際は、現法責任者である総経理(社長)によるところが極めて大きいと言えます。

可能な限り円滑に日常の運営を行うために、合弁パートナーとはどのようなスタンスで向き合えばよいのか、が見えてきます。

それこそ中国ビジネスを成功に導く大きなキモであると思います。

 

▮合弁成功のツボは

日本人同士であれば、阿吽の呼吸とか忖度といったことがあり得るものの、お互いのコミュニケーションをとることはやさしくはないのに、まして、言葉や習慣の違う双方が意志を伝えることなど簡単にできるわけがありません。

 

「年間販売計画」や「予算」などといった日本側の考えや手法は、そのような習慣のない相手方には1回や2回説明しても、とても十分には伝わらない、と考えた方がよい。

社内の日常運営についても「一を聞いたら十を知る」とか「背中で部下を育てる」…このようなことは、現実的に不可能です。

 

自分の思いを合弁パートナーに伝えるには、それを何回も繰り返すことと、そして伝える方法を工夫することであると考えます。

さまざまな場面を利用し、さまざまな方法を駆使して、具体的に繰り返し語りかけることこそ有効であると思います。パートナーや現地社員との間の行き違いや理解不足のほとんどは双方のコミュニケーション不足から惹起されると私は思います。

経験値から言うと、コミュニケーションは実は過剰と思うくらいがちょうどいいということです。

 

▮総経理の肩にかかっている

別の角度では、日中の双方が違う夢を見ているのですから、なかなか意見が一致しません。そこで双方が共有できるもの、たとえば、現地会社の経営理念であるとかを制定するのも有効な手立てだと思います。

双方が意見交換するときには、その経営理念をスタンダードとすれば、おそらく良い結果が得られると思います。

 

会社運営状態、問題点、営業成果等々の情報を合弁パートナーと常に共有し、改善策を相談することができる協力関係が不可欠であると思います。それは出資比率とは関係なく大事にしなければならない事項です。

そのために、毎日のコミュニケーションの努力を怠ってはなりません。疑心暗鬼で「対立関係」に陥るのは最悪です。

 

風通しの良い毎日のコミュニケーションは、双方のぎくしゃく感を排し、結局はその合弁会社の業績拡大という結果になって双方に戻ります。

実は、意見の違いを超越する日常的な運営をすることができるのは、現地の会社を任された総経理(社長)の他にはいないと自覚するとやりがいが倍増しますよ。

»「成功のツボ カテゴリー別記事一覧」もご覧ください。

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▮中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言

路遥知马力、日久见人心 / 路(みち)遥かにして馬の力を知り、日を久しくして人の心を見る

◆中国語:路遥知马力、日久见人心   [ lù yáo zhī mǎ lì, rì jiǔ jiàn rén xīn ]

◆日本語表記:路遥知馬力、日久見人心

◆出典:元の時代の芝居、《争报恩》。

◆意味:遥かな路(長距離)を走らせれば馬の力が分かり、長く一緒にいれば人の心が分かる。

◆解説:物事の本質は短期間では分からないものです。馬に長く乗ればその馬の力がわかる。同じように、人と為学付き合えば、その人の心が見える。

しかし、世の中の流れが速くなり、人は第一印象のみで瞬間的に判断されることが多く、なかなか長い目で見ることができなくなっています。日ごろから人を見る目を養っておく重要性も感じます。

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奉子成婚 / できちゃった結婚

◆中国語:奉子成婚   [ fèng zǐ chéng hūn ]

◆意味:できちゃった結婚。「先上车后补票  」(先にバスに乗り、あとで切符を買う)とも言います。

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听天由命 / 一か八か

◆中国語:听天由命   [ tīng tiān yóu mìng ]

◆出典:清·无名氏《说唐》

◆意味:運を天に任せ、成り行きに任す。「碰运气  」(碰運気)」[ pèng yùn qì ]も同じような意味です。

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吴越同舟 / 呉越同舟

◆中国語:吴越同舟   [ wú yuè tóng zhōu ]

◆出典:孫子(九地)

◆意味:仲が悪い者同士であっても、同じ困難に遭遇した時には互いに協力する。

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» 「現場目線で読み解く 中国のことわざ・格言」もご覧ください。

 

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