合弁会社とは “できちゃった結婚” のようなもの? うまくいく秘訣は…

 

 

中国でビジネスを展開する形の一つとして合弁会社を設立することが多くあります。
もともと中国資本と外資が共同出資して設立し、共同して運営をするのが合弁会社です。

当初は、日中の双方が互いに目的を持ち、利害が一致した時に合弁契約を締結、
熱い握手を交わし、スタートしたはずです。

その後の現実は、日常的に運営がぎくしゃくしている企業や、両者の意見の相違により合弁が破綻、
撤退してしまった例など枚挙にいとまがありません。

設立当初はバラ色の未来を思い描き、双方が交わした約束はどこへ…。いったいなぜ?

 

 

合弁とは問題が元々内包しているもの

そもそも合弁とは日本側と中国側のそれぞれがあるものを出し合い、ないものを補完し合い利害が一致したときに合弁が成立します。

しかしそれぞれが思い浮かべるその会社から得られであろうものなど、期待するところについては、必ずしも同じではありません。さらに国や環境の違いは如何ともしがたいギャップを生んでいます。

 

合弁をする際には、細々とした問題に至るまで事前に話し合いを重ね、納得ずくで合弁契約を締結すればいいのですが、そんなことをすれば中国側は痺れを切らしてしまいます。

よって一般的には日中双方がそこそこ納得した段階で合弁契約を締結することになります。

十分な事前協議ができないことが問題の一つです。

 

 

業種業態によっては合弁の煩わしさを回避するために、たとえ途中で運営不全に陥ったときには、思い切って独資に改編することも方法です。

しかし、わが社のように現地マーケットを対象としている企業の場合、独資ではなかなか思うように業容が拡大できません。

それは、現地マーケットの状況は我々日本側よりも中国側の方がはるかに長けているという単純な理由によります。

したがって、我が現法は中国側の地元社と組んでいる合弁を何とかして維持しなければなりません。

総体的に言えば「日中合弁」の形式には、双方に意見の相違があることが普通である、ということを前提として先のことを考えなければなりません。

 

 

合弁とは「先上車後補票」

厄介なもう一つの問題は、合弁を組もうとしている相手が、タッグを組むパートナーとしてふさわしいのか否か、です。

これは男女の仲と同じで、時間をかけないとなかなかわかりません。中国には一緒に長くいるとその人の心がわかるという意味ことわざがあります。

しかし、今のスピード時代にそんな悠長なことも言ってはいられませんので、合弁を組む時には相手のことを一応調べたりするなど検討を加えはしますが、最終的にはどうしても「エイヤア」で決めてしまうことになってしまいます。

いわば「できちゃった結婚」のようなものです。

 

 

では、中国合弁のむずかしさを克服し、成功に導くにはどうすればよいのか、これが中国ビジネス成功の大きなツボです。

 

考えてみれば、もともと合弁契約締結時から問題を抱えているわけですから、成功するツボは合弁成立以後にあると考えます。

つまり、中国現地での事業運営の実際は、現法責任者である総経理(社長)によるところが極めて大きいと言えます。

可能な限り円滑に日常の運営を行うために、合弁パートナーとはどのようなスタンスで向き合えばよいのか、が見えてきます。

 

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合弁成功のツボは

日本人同士であれば、阿吽の呼吸や忖度といったことがあり得るものの、夫婦間であっても互いのコミュニケーションはそうやさしくはありません。

まして、言葉や習慣の違う双方が、自分の意志を相手にr伝えることなど簡単にできるわけがありません。

 

「年間販売計画」や「予算」などといった日本側の考え方や手法は、そのような習慣のない相手方には1回や2回説明しても、とても十分には伝わらない、と考えた方がよいと思います。

社内の日常運営についても「一を聞いたら十を知る」とか「背中で部下を育てる」…このようなことは、現実的に不可能です。

 

自分の思いを合弁パートナーに伝えるには、それを何回も繰り返すことと、そして伝える方法を工夫することであると考えます。

さまざまな場面を利用し、さまざまな方法を駆使して、具体的に繰り返し語りかけることこそ有効であると思います。

パートナーや現地社員との間の行き違いや理解不足のほとんどは双方のコミュニケーション不足から惹起されると私は思います。

経験値から言うと、コミュニケーションは実は過剰と思うくらいがちょうどいいということです。

 

総経理の肩にかかっている

別の角度では、日中の双方が違う夢を見ているのですから、なかなか意見が一致しません。そこで双方が共有できるもの、たとえば、現地会社の経営理念であるとかを制定するのも有効な手立てだと思います。(日本本社のそれを持ち込むのではなく)

双方が意見交換するときには、その経営理念をスタンダードとすれば、おそらく良い結果が得られると思います。

 

私は会社運営状態、問題点、営業成果等々の情報を合弁パートナーと常に共有し、改善策を相談することができる協力関係が不可欠であると思います。出資比率とは関係なく大事にしなければならない事項です。

そのために、毎日のコミュニケーションの努力を怠ってはなりません。私は大連に駐在していた12年半、それをやり続けました。

疑心暗鬼で「対立関係」に陥るのは最悪です。

 

風通しの良い毎日のコミュニケーションは、双方のぎくしゃく感を排し、結局はその合弁会社の業績拡大という結果になって双方に戻ります。

意見の違いを超越する日常的な運営をすることができるのは、現地の会社を任された総経理(社長)のほかにはいません。

 

 

 ♣♣♣ 中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言を解説 ♣♣♣ 

 

路遥知马力、日久见人心 / 路(みち)遥かにして馬の力を知り、日を久しくして人の心を見る。

◊中国語:路遥知马力、日久见人心 [lù yáo zhī mǎlì, rì jiǔ jiàn rén xīn]

◊日本語表記:路遥知馬力、日久見人心

◊出典:元の時代の芝居、《争报恩》。

◊意味:長距離を走らせれば馬の力が分かり、長く一緒にいれば人の心が分かる。

物事の本質は短期間では分からないものです。馬の力を知りたければ、その馬を長く乗ってみて、人の心を見たければ、その人と長く付き合ってみよう、ということです。

しかし、世の中の流れが速くなり、人は第一印象のみで瞬間的に判断されてしまいます。なかなか長い目で見ることができなくなっています。日ごろから人を見る目を養っておく重要性も感じます。

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[解説]

 

奉子成婚 / できちゃった結婚

◊中国語:奉子成婚 [fèng zǐ chéng hūn]

◊意味:できちゃった結婚。「先上车后补票」(先にバスに乗り、あとで切符を買う)とも言います。

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