日本人は楽ちんですねぇ と中国人が羨む でこぼこ道でレースをする

 

ある時、中国人の友人が私にこう言いました。「日本人は楽だねぇ!」と。

何を言っているのか。日本人は朝から晩までみっちりと仕事をしている。5時定時の10分後には誰一人オフィスに残っていない中国人社員とは違うんだ! それに、気に入らない上司や同僚との人間関係にも負けずにやっている。そのどこが楽ちんなんだ! と反論。

彼の真意は…?

 

 

▮日本と中国 グレーゾーンの幅が大きく違う

彼の言い分はこうです。日本では規則や社会のルールが細かく整備されていて、やってもいいことや悪いことがはっきりとしている。だから、あれやこれやと考える必要がない。だから日本人は「楽でいいねぇ」。

 

そう言われてみれば、日本では一般的には「白黒」がはっきりとしていて、その間の真ん中に少しだけあるグレー部分を判断すれば概ね事足ります。まぁ、言ってみれば高い塀の上を歩いているようなもので、内側或いは外側のどちらに倒すか、順法精神が旺盛な我々日本人なら、大抵は誰にでもわかります。

 

一方中国では少しの「白」と「黒」の間に大きなグレーゾーンがあります。そのグレーゾーンの中で、物事を前に向けて進めて行くためにはどうするのが良いのか、妥当な答えはどこにあるのか、中国人は常にそれを考えています。

法治国家とは言っていますが、現実には幅広いグレーゾーンをどう捌くかが大きな問題となります。

 

▮日本人もでこぼこ道でレースを…

いわば日本人は舗装された道路を走るので何の心配もない。しかし中国人は地道を走るようなもの。でこぼこで平ではない道路。水たまりや穴ぼこを避けながら、目を見開き神経を多がらせていないと転んでしまいます。

 

そこで中国人は、常に人間関係作りを行い、活用し、歴史の中で自然と身体に染みついた兵法や交渉術を駆使して、自身が有利になるように、思いを巡らせているということです。

 

そうしなければ闘いに勝てません。だから中国人は大変なんですよと彼は溜め息交じりにそう言います。彼はそういうことを言いたかったようです。

 

考えてみれば、中国現地で事業を展開している日系企業も中国企業と同じ土俵で戦っているわけです。その中国土俵で「日本の白黒がはっきりとした尺度」で運営しようとした場合は、その事業はたいして伸びません。しかも時間がかかります。

ですから日系企業に勤務する日本人社員も、中国土俵で戦いに勝とうとするのならば、「グレーゾーンの捌き」を学ばないと、現地ローカル企業とは勝負になりません。舗装された道路を歩くには革靴で問題ありませんが、でこぼこ道を歩くには革靴では似合わないということです。

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▮こちらを立てれば…

ところが、そうしようとすると、今度は日本本社がそれをよしとはしないという困った問題が発生します。

日本本社は何よりコンプライアンスが大事のようです。旺盛な順法精神を背景として、コンプライアンスを錦の御旗のごとくにして立ちはだかってきます。

 

現地企業で采配を振るう日本人総経理(社長)にとっては、「こちらを立てればあちらが立たず」という悩ましい問題の出現です。

この悩ましい問題をどうやって切り開くか、そのハードルを越えないと業容拡大は望めません。

 

そこで日本本社が考えるべきは「用いては疑うなかれ」です。本社は自分で人選をして総経理として送り込んでいるのですから、運命共同体であるはずです。

勿論、現地で総経理(社長)を張っている日本人社員は、グレーゾーンの中で経験により「越えてはならない一線」を肌感覚で理解しているはずです。ですから、日本本社も現地のことは現地に委ね、口は出さないのが唯一の解決策ではないかと思います。

 

同時に総経理は日本本社に対して腹をくくることができるか、が最後の決め手になるように思います。同じ日本人でも、中国でビジネスを展開する日本人は楽ちんではなさそうです。
私も言ってみたいと思います…日本本社の皆さんは楽ちんですねぇ! と。

»「成功のツボ カテゴリー別記事一覧」もご覧ください。

 

▮中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言

兵法三十六计 / 兵法三十六計

◆中国語:兵法三十六计  [ bīng fǎ sān shí liù jì ]

◆中世頃の中国の兵法書。兵法における戦術を六段階の三十六通りに分けてまとめた書物。

武力ではなく策略で勝つ、力ではなく頭で勝つ、そのための智略の集大成です。私個人的には、如何に相手を欺き見方を有利に導くか、を説いたもので、そこには「正々堂々」と戦うというようなことは無縁に思います。

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坎坷不平 / でこぼこで平ではない

◆中国語:坎坷不平   [ kǎn kě bù píng ]

◆出典:漢·扬雄《河乐赋》

◆意味:地面がでこぼこで平ではない。行く手には多くの困難があり順調ではないことを形容している。

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顾此失彼 / こちらを立てればあちらが立たず

◆中国語:顾此失彼   [ gù cǐ shī bǐ ]

◆日本語表記:顧此失彼

◆出典:明•冯梦龙《东周列国志》

◆意味:一方に気を取られると他方がおろそかになる。事柄が多くてとても一度に手が回らないこと。

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疑则勿任、任则勿疑 / 疑えば則ち任ずる勿れ、任ずれば則ち疑う勿れ

◆中国語:疑则勿任、任则勿疑   [ yí zé wù rèn, rèn zé wù yí ]

◆出典:資治通鑑

◆意味:疑いがある人は任用してはならない。任用したなら、その人を疑ってはならない。

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»「現場目線で読み解く 中国のことわざ・格言」もご覧ください。

 

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