プラトーという停滞はこうして克服した

 

 

会社が一定の業績を出していると、それに満足してしまい、
それ以上の成績がなかなか出にくくなります。

そうすると「それなり」の平凡な会社になってしまいかねません。

いわゆる高原現象(プラトー)といわれる停滞現象です。

これを克服し、もう一段高いところに会社を押し上げること、それが発展段階での一つの課題です。
やはり、幹部社員、中堅社員達にモチベーションを上げてもらうことが必要です。

 

 

よその市場を見せる社内教育

私が勤務していた大連は、たいへんこなれた街で、そういう意味では中国の中でもトップ級だと思います。市街地人口は400万弱で、規模は中国ではそれほど大きくありません。上海や北京、深圳などの方がはるかに大規模の都市です。

 

私は出張でそういった都市を訪れ、大連との比較は容易にできましたので、幹部社員には、それらの都市と比較して大連はもっとできる、とよく話をしました。

しかし、他の都市をよく知らない彼らには、言葉上の理解はできても、実感はできなかったのだと思います

 

そこで、幹部社員や組織運営の中心的な役割を担うベテラン社員たちに、「外の市場」を見せることで、全体的なモチベーションのアップにつなげることを目的とした、社内教育を考えました。

 

ちょうどよいことに、業界の展示会が北京や深圳(しんせん)で毎年開催されていましたので、それを見学に行くことにしました。そしてその街を歩き、店に入り、大連とどこが違うのか肌で感じ、それを大連で生かしてもらうことを重視したのです。

 

選抜された中堅社員を外地へ派遣

1年間の努力・成果を基準に選考委員会で数名を選抜し、外地へ派遣しました。

※「外地」とは中国では「よその土地」、ここでは大連以外の地方のこと。

一方で、視察・見学だけでなく、仕事に頑張ったのでその「ご褒美」的要素も合わせて持たせ、幾重にも目的を重ね合わせる工夫を行い実行しました。

 

もちろん選抜された社員には「選ばれた」をいう栄誉を与えるとともに、自身でもそれを認識をすることで、以後の仕事への高揚感を持たせる配慮もしました。

 

今でこそ中国の経済成長は一服感がありますが、当時は外地へは行ったことのない社員や、飛行機に乗ったことがない社員もいて、この施策はヒットしました。

 

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百聞は一見に如かず

視察先の選択基準は「大連よりも発展しているところ」。

そこへ行って何かを学ぶ、のがテーマです。物見遊山の観光旅行ではなく、外地へ出張するという一種のステータスがそこにはあります。

百聞は一見に如かず」、私の話やテレビなどで得る知識よりも、自身の目で見るのが一番だと思います。

 

この企画は多少の経費はかかりますが、それをはるかに上回る成果につながったと思います。社員が自身の見識を広げ、そのことが他の社員に波及し、徐々に組織全体のレベルの高まりを感じました。

上海、北京、深圳、広州などへの研修旅行を実施しましたが、後年はソウルや香港などにも拡大することとなりました。

 

顧客の担当者が行ったことがあるのに、わが社の営業社員がそこを知らないのでは「井の中の蛙」との誹りを受けかねず、大変意味のある企画だと考えました。

 

プラトー克服により業績アップ

今は何不自由なく育った若い社員が多数を占め、「飛行機に乗れる」程度では、アドバンテージにはならないでしょうが、「選ばれた社員」が「外の市場」を見聞するために出張するということになると、いつの時代でも効果があると思います。単に最優秀社員にご褒美としての旅行を贈呈するのとは違います。

 

プラトーの克服のポイントは、普通の社員に少しの刺激を与え、そこに動機付けをプラスすることにあります。もちろんモチベーションを高める演出には十分な配慮をしなければなりません。

それらによってプラトーを克服、つまり、業績アップに直結するということです。

 

(余話)

独断でやっていたものですから、本社からはあまりよくは見られていなかったように思います。
でも、それだけの業績は出していたので、何も言われませんでした。。

 

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 ♣♣♣ 中国ビジネスを成功に導く ことわざ・格言を解説 ♣♣♣ 

 

百闻不如一见 / 百聞は一見に如かず

◊中国語発音:[ bǎi wén bù rú yī jiàn ]

◊日本語表記:百聞不如一見

◊出 典:漢書《汉书•赵充国传》

◊意 味:他人からどんなに詳しく聞いても、実際に自分の目で見ることには及ばない。

◊由 来:
漢の宣帝が将軍の趙充国に下問した際、趙充国はこう答えました。
「百闻不如一见,兵难遥度,臣愿驰至金城,图上方略。」(百聞は一見に及ばない。前線は遠いので戦略を立てにくいから私自身が馬で金城に行き、企図して戦略を奉りましょう。)

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[解説]

 

井の中の蛙大海を知らず 《中国語:坎井之蛙,不可与语东海之乐》

◊中国語:坎井之蛙,不可与语东海之乐 [kǎn jǐng zhī wā, bùkě yǔ yǔ dōnghǎi zhī lè]
◊日本語表記:「坎井之蛙、不可与語東海之楽」
◊出 典:《荀子•正论》

◊意 味:
破れ井戸の蛙では、東海の広大な楽しみを共に語ることはできない。井の中の蛙では決して広い見識・見分を保持することはできない、との意。

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