中国で酒なしでは商売にはならない、は本当か? 白酒の乾杯で…

 

 

私が大連に赴任した当時は、顧客や政府機関の方を招待し、
懇親を深める席では酒は必須アイテムでした。

幸い(?)そのころは私も少しは飲めましたので、
中国式の乾杯を重ねることで、中国での酒の飲み方を覚えました。

上海では宴席ではワインやビール、紹興酒が好まれていましたが、
大連では何といっても「白酒」です。

中国の東北部では酒と言えば「五粮液」などの代表されるアルコール度数52度にもなる白酒なのです。

宴席は白酒の乾杯から始まり、ボトルが空くと次はビール。
飲むほどに周囲の中国人の皆さんと親密度が深まるように感じたのです。当時は。

うわさに聞いた駐豪で商売に酒はつきもの、とはこれかと思いました。

 

 

 

白酒を飲まずして仕事にならず

「坂の上の雲」で知られる旅順は大連市街地から小一時間のところにあり、今は大連市の一部になっています。

私が着任した2000年当時は、街の中に対外的に開放されていない場所があちこちにありました。
そして、その未開放エリヤの中に私の会社の旅順営業所があったのです。

初代の総経理時代に、中国人幹部が人脈を頼って特別に許可を取得し事業所展開をしたそうです。

 

理屈上は、私は社長であるにもかかわらず、外国人ということで、自社の旅順営業所には立ち入ることができなかったというわけです。

しかし、その営業所にも所長や現地のスタッフが頑張っており、私は着任間もなく、スムーズな業務展開のため、そこの政府当局を訪問しました。

 

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挨拶が終わった後、近くの中華レストランでお昼の会食。お決まりの会食とはいえ、真昼間、まさかと思いましたが、白酒の乾杯が始まったのです。

「小杯」と言われる一口サイズの小さなグラスで乾杯するのではなく、普通のグラスになみなみと白酒を注ぎ、相手の方も顔をしかめながら乾杯するのです。

私も社業の発展のために、かなり無理をして乾杯の誘いに応じました。

何とか会食は乗り切ったのですが、とても仕事ができる状態ではなくなってしまい、フラフラでアパートに帰りました。

その間ずっと我慢していたのですが、部屋の玄関を入るや否や玄関でやってしまいました。あと5秒こらえきれず、玄関の靴脱ぎのところでゲロをぶちまけてしまったのです。

 

数時間後にベッドの上で目が覚め、何が起こったのか思い返しました。

ふと気がつくとベッドの横にはズボン、その先にワイシャツ、ネクタイ、上着・・・と玄関に向かって順番に脱ぎ捨てた服が落ちているではないですか。

そして極めつけは、玄関の生乾きの吐しゃ物。…仕方なく自分で掃除をしました。

 

その頃は、お客様や政府機関の方々との宴席を持つ機会が結構あって、酔いつぶれたこともたびたびでした。酒なしでは商売ができないと言われていた頃です。

 

中国では昔から「酒は事を成し遂げもするし、ダメにもする」と言われています。

そういう風潮の中でどの程度まで飲めばよいのか、飲んでもよいのかの判断が結構難しかったことを覚えています。

その場の自分の立場、相手や周囲との力関係などによってそれを判断しなければならず、新参者の私には簡単ではありませんでした。

 

酒飲まずとも仕事はできる

その後、2003年にSARSが流行した折に、狭い場所で大勢が集まることはよくないということが盛んに言われ、それを機に酒を飲むことがぐっと減りました。

実は、背景にあったのはSARSではなく、急激な経済成長であったと私は思っています。

つまり、経済発展は人の懐を豊かにし、「酒」よりも「金(カネ)」に関心が移ったように思います。

酒を飲む際にも「白酒」よりは高級ワインが好まれるように変化し、同時に、飲み方もずいぶん品が良くなりました。無理強いもせず、なんと飲まなくてもちゃんと仕事ができるようになりました。

相手と乾杯し、煙草をすすめることが中国の宴席には欠かせないエチケットでありましたが、今ではどちらも「やらない」という方がずいぶん増えたようです。

 

私は、2004年に心臓病を患ったこともあって、その後は極力酒は控えました。

いつの間にか、政府機関や顧客との懇親の席でも「酒は飲まない総経理」として定着してしまいました。

会社の業績はその後ずっと右肩上がりで、酒は飲まずともちゃんと仕事・商売はできることを証明しました。

酒に命を懸けるのは愚行であり、最も大事な健康を最優先に考えるべきだと私は思います。

 

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 ♣♣♣ 中国ビジネスを成功に導く ことわざ・格言を解説 ♣♣♣ 

 

酒能成事、酒能败事 / 酒は事を上手く運びもするし、駄目にもする

◆中国語発音:[ jiǔ néng chéng shì, jiǔ néng bài shì ]

◆日本語表記:酒能成事、酒能敗事

◆諺の原文:酒能成事、酒能敗事、水可载舟水可覆舟」(中国の健康箴言)

◆意味:酒は事を上手く運びもするし、駄目にもする。水は舟を浮かべもするが、転覆もさせる、との意。

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[解説]

 

白酒(ばいちゅう)

◆白酒(ばいちゅう)は、中国の穀物を原料とする蒸留酒。アルコール度数が52度に達するものもあります。

白酒の“白”は“透明”という意味。中国東北部での宴席で何度も行う乾杯には、普通は白酒を使います。中国東北地方で「酒」と言えば「白酒」であるともいえます。

飲んだ後で、相手に向かって杯を傾け底を見せたり、逆さにして、飲み干したことを示す習慣があります。

ビールを飲み干す乾杯よりも、白酒の乾杯の方が、酒としての量が少ないのでよい、という日本人が結構います。(私はどちらもつらい…)

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