「絶対権力」にチャレンジ! 異体同心のチームワークがあれば…

 

大連の我が社の競争相手は、市政府直轄の官製企業。言ってみれば「官」。ご存知のとおり誰もが黙る強力な権力を背にしています。そんな企業と競争して、果たして勝つことはできるのでしょうか?

権力めいたものは何もないわが社が勝つには、さて、どうする…

 

一人なら小さな龍、三人集まれば虫けら…

私たち日本人は「団結しよう」、「異体同心、心を一つにして頑張ろう」などと言う考え方が大好きで、
よく耳にします。

日本で仕事をしていた時も、できるだけ少ない人数で最大の効果を出すのがひとつの大きなテーマで、
1+1=2以上になるような努力をしてきました。

ですから、日本人総経理は中国でも「団結」を実現しようとするのです。

 

親愛なる中国人の皆さんには失礼な話であるが、

中国人は1人なら龍ほどの力を持つが、3人集まると虫けらほどになってしまう。
日本人は1人なら虫けらだが、3人集まると龍ほどの力を持つ。

と彼らはやや自虐的に言っています。

 

団結の重要性について古来中国ではこんな風に言われています。

五本の指で交互にたたくことは、拳の一撃に及ばないし、
万人が交互に突進することは、百人が一緒に突撃するに及ばない。
」と。

現代の中国でも「団結」を意味するスローガンは街中でもよく目にします。

しかし、元来、個人主義の様相が濃いこの国で、現実的には言うほどの団結は私には感じられません。結局自己優先で、1+1は、よくて「2」。普通は「2」以下ということになってしまいます。

実は、ここに我らの勝機あり!

 

団結すれば勝てるかも

他方、強いバックグラウンドもなく、スタープレーヤーもいない我が社が、競争に打ち勝つには、どうしてもチームワークで仕事をしなければなりません。

「百人が一緒」になると、強いバックを持つ官製の会社との競争に勝つことができるかもしれません。

 

そこで、社内の団結力を高める努力が必要になります。

定例会議や朝礼で「団結して頑張ろう!」などとは、以前から言われていましたが、それは言うだけで、街中にある団結しようとの横断幕を掲げただけと似たようなものです。

総論ばかりで具体的な施策は特に何もなく、うまくはいかないのもうなずけます。

スポンサーリンク

社内に団結力を醸成 一年中、いろんなイベントを開催

団結心があまり感じられない組織の中にあって、まずはその土壌を作らねばなりません。

それには、仕事の上で「団結」を叫ぶだけでなく、仕事ではない所で団結心を醸成する必要があると考えました。

 

そのために社内で様々なイベントやレクリエーションを開催し、そういった催しを通じて社員同士、あるいは社員と幹部間の距離を縮める努力をしました。

また、そのイベントはややもすると、ぎすぎすしかねない組織内に潤滑油の働きを持たせることにもなります。

 

どの中国企業も同じですが、私の会社も旧正月前には300人ほどの社員が一堂に会する年会を開きます。

費用も結構かかり、会場探しも大変なのですが、皆が楽しみにしている年に一度のイベントです。会社としても
「ここぞ」という時であり、けちなことは言ってはおれません。

 

どうせやるなら総経理も参加、真剣に

各部門、事業所などを単位として、出し物を1か月ほど前から終業後にこっそりと練習し、年会の場で発表します。コントあり、歌あり、ダンスありで、予選を勝ち抜いた社員やグループにとっての晴れの舞台を会社が提供する形です。

 

どうせやるならとことんやろうと、私自身も「唐装」(※写真左)と言われる中国服を着て、会場内を歩きながら熱唱するようなパフォーマンスを披露しました。

 

地元主催の駅伝にエントリー

春には、大連市主催の「大連国際マラソン大会」の駅伝の部に毎年参加しました。これも、早くから社内で予選を行い、選ばれた社員は休みの日に練習を重ね、本番に臨みます。

選抜された社員で一つのチームを構成し、タスキをつなぎ42.195キロのコースを走り抜くというイベント。

 

この大会は地元政府主催の公式マラソン競技で、フルマラソンや車いすマラソンもある本格的なもので、我が社はチーム競技である駅伝に参加することで、団結心の醸成に役立てたいと考えました。

 

選手以外の社員は主要リレーポイントでの応援に参加、さらに希望する社員が市民マラソンに参加したり、できるだけみんなが参画できる機会を増やすように考えました。

 

駅伝の選手は、総務や営業、業務といったそれぞれの部門から選ばれた一般社員です。

中には日頃の仕事上では、ぱっとしない社員も、予選会で好成績を出せば選手として選ばれますので、そういった社員にもスポットライトを当てることにもなります。

それによって、仕事に対するモチベーションも上げてくれことを期待しました。

 

綾なす縦と横の糸

年会や、駅伝の他に、初夏には全社員参加の10キロ・ウオーキング大会、夏にはシーサイドレクリエーション、秋には工会(労働組合)主催の一泊旅行などを開催。

実務上では、年初に「年度会社方針発表会」や「セールスコンテスト」「実技コンテスト」など、「一年中、いつも何かをやっている・・・」という感じにしました。

 

ビジョンによって近い将来の夢を持ち、それを目指した足元の具体行動であるイベントは

「縦糸」のようなもの、そして並行して開催する各種イベントやレクリエーションは組織に潤いを持たせる「横糸」、といったイメージでしょうか。

 

ツボは、競争相手にないものを そしてそれを作り出す努力と工夫

中国人の苦手な「チームワーク」を実現できれば、会社としての実力はずっと大きくなるはずです。

強力な「官」のバックを持つ競合他社に、素手の私たちの会社が勝つには、それしかないと私は思います。

相手がないものを持つ。「背景の権力」と「社員の団結」の勝負。

少し時間はかかりますが、社内に「団結力」を醸成すれば、競争に勝てる!きっと勝てる!

 

日頃の仕事上のマネジメントでは、辛辣なことを言ったりやったりすることも少なくありませんでしたので、それを和らげる効果もこのイベントには少なからずあったように思います。

 

しかし、そんなことに大事な会社の金を使うのか!という寂しい声が日本から聞こえてきたことを覚えています。

現場を知らない人達の、そんな一言は無視しましょう。

 

スポンサーリンク

 

 ♣♣♣ 中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言を解説 ♣♣♣ 

 

五指之更弹,不若拳手之一挃。万人之更进,不如百人之俱至也 / 五指の更弾つは拳手の一挃に若かず、万人の更進むは、百人の倶に至るに如かざるなり

◆中国語発音:[ wǔ zhǐ zhī gèng dàn, bù ruò quán shǒu zhī yī zhì. wàn rén zhī gèng jìn, bù rú bǎi rén zhī   jù zhì yě ]

◆日本語表記:五指之更弾、不若拳手之一挃。万人之更進、不如百人之倶至也

◆出典:淮南子・兵略訓

◆読み:五指の更(こもごも)弾つは拳手(けんしゅ)の一挃(いっちつ)に若かず、万人の更(こもごも)進むは、百人の倶(とも)に至るに如かざるなり。

※「更」とは「かわるがわる。入れかわって。」の意。

◆意味:五本の指で交互にたたくことは、拳の一撃に及ばないし、万人が交互に突進することは、百人が一緒に突撃するに及ばない。知恵を合わせて力を一つにすることが大事であるとの意。

▲本文に戻る

 

 

 

[参考]

 

◆巷間でいわれている俗説。中国語では「一个日本人是一条虫,但一群日本人就是一条龙;而一个中国人是一条龙,但一群中国人却成了一条虫。」

▲本文に戻る

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です