「だいたい」をもって可とせよ 完璧主義の中国ビジネスは挫折する

 

中国ビジネスを展開する現地会社の総経理として、
立てた緻密な事業計画の実現を目指して、 現地の社員と共に懸命の努力をします。

が、必ずしもうまくいくとは限りません。

しかし、例え達成できなかったとしても、寛大に見ることが私は大事だと思います。

総経理のそのような接し方は社員達の心を掴み、繰り返すうちに
いずれはうまくいくときがきっと来る、と信じたいと思います。

 

中国人は計画だった仕事が苦手

毎月の営業計画や年間事業計画など、海外展開している現地法人としても、日本と同じような手法で計画を立てる所から始まります。

もともと、計画だった仕事の進め方は苦手で不慣れなわが社の中国人社員達です。

そこで総経理として幹部会議などで、“P-D-C-Aのサイクル”の絵を書きながら計画を達成する重要性を説きます。

しかし、実際には計画どおり仕事を進めるのはそう簡単ではありません。
むしろ、計画を達成できない場合の方が多くあるかもしれません。達成したとしても、仕上がり具合が不格好の場合もありましょう。

 

そこで、達成できなかったときに、総経理としてどう対応するか、を前もって考えておくべきだと思います。

日本では、「何だこりゃぁ!」「どうなってんだ!」という叱責が飛んでくることも少なくありません。しかしそんなやり方が通用するのは日本国内だけです。

中国で同じようにやってしまうと、間違いなく彼らの士気が低下し、その後の仕事につながっていきません。

 

「差不多」(だいたいね!)あいまいな答えにイラつく…

「計画どおりうまくいったかい?」と社員に問いかけたら、「うん、まあだいたいね」と。

とても曖昧な答えであって、日本人としては達成率とか数字で答えてくれよと言いたくなるのですが、未達成の場合、数値で答えるのは彼らのメンツにもかかわってきます。

 

ですから、「大体」で済ますほうが伸びしろを確保できるというわけです。「大体」で終わった原因を共に探り、次月はそれを乗り越える策を立て、気持ちよく行動させるほうが得策です。

 

「大体」は中国語では「差不多」。聞きようによっては腹の立ついい加減な言葉に聞こえますが、たとえば目標の達成度合いが8割であっても、許される度量の深さがそこに感じ取れます。

 

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「だいたい」でいいじゃないか。「差不多」を認めよう。

中国に赴任し、上海で1年余り中国語をゼロから勉強。

その後大連に転勤し3~4年が過ぎたころ、結構しゃべれるようになっていました。日常会話は特に問題なく、仕事は基本的に中国語で行い、通訳がいなくても社員とコミュニケーションできる状態にまでなっていました。

そんな中で私が好きになった中国語の言葉は「差不多」という単語です。差は多くない、つまり「大体」「たいてい」「ほとんど同じ」などという意味の言葉です。

 

「できばえが多少不恰好だけど、形になっているんだから、いいじゃないか。御苦労さま。」「目標は達成できなかったけど、みんな一所懸命努力したんだからいいじゃないか。この努力を続けていけば次は達成できると思うよ。」ということを総経理(社長)として表明することが、次につながる大事な考え方になると私は思います。

 

「差不多主義」が中国での成功につながる

私が個人的に命名した「差不多主義」。
この思想は、結果は別として、プロセスとしてそれなりの努力を認め評価する。それは、社員達にとって優しいねぎらいを感じさせるとても包容力のある言葉ではないでしょうか。

 

市場競争を取り入れた中国の経済実態の中であっても、日本人とは価値観も考え方も異なります。
目標を達成できなかったことについて、完膚なきまでに部下をやり込めてしまうと、部下は恨みこそすれ、以後の仕事に身が入るわけがありません。

例えば戦場であっても「敵に逃げ道を開けておいてやれ。」と言われるように。

 

ですから、未達成の場合であっても「差不多主義」で一旦終わらせて、次の挑戦につなげる事を考えた方が皆にとっても自分にとっても良いはずです。

 

しかし、だからと言って、最初からいい加減な計画で済まそうとしたり、途中で手を抜いたりしては決してなりません。

緻密に立てた計画でも、そう簡単にはうまくいかないのに、いい加減な計画では良い結果が出るわけはありません。これは論外です。

 

実はもう一つの側面があります。総経理と言っても、がちがちに自らを追い込んでいくと、自分の身が持たないので、「差不多主義」をもって妥協している…のかも?

いずれにしても日系企業の海外展開や個人での海外起業など、

計画は緻密にして、完璧な結果を求めず。差不多でいいじゃないか。

この考え方を成功するまで何度も何度も繰り返すことがよいと思います。
中国で完璧を求めると時として挫折してしまいます。

 

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 ▮▮▮ 中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言を解説 ▮▮▮ 

 

围师必阙,穷寇勿迫 / 囲師には必ず闕き、窮寇には迫ることなかれ

◆中国語:围师必阙,穷寇勿迫

◆中国語発音:[ wéi shī bì quē, qióng kòu wù pò ]

◆日本語表記:囲師必闕、窮寇勿追。

◆読み下し:囲師(いし)には必ず闕(か)き、窮寇(きゅうこう)には迫ることなかれ。

◆出典:孫子

◆注釈:敵を追い詰めても、必ず逃げ道を開けておくこと、窮地に追い込んだ敵には攻撃をしかけてはならない。という意味の孫子の兵法のひとつです。

数に劣る敵軍を包囲したとしても、「窮鼠猫をかむ」と言われるように、死を覚悟した相手は死に物狂いに反撃してくる恐れがあるので、敵の逃げ道を作っておけとの意。

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