頼りの幹部が辞めても恐れることはない 重しが外れたら…

 

”対中国ベテラン日本人”といっても所詮は外国人。

マーケット事情や政府人脈など、自分の足りないところは中国人幹部社員を頼ることになります。

その頼りにしていた幹部社員に辞められると困ることになると思うのが普通かもしれません。

しかし、そういう思いが会社という組織内で仇になることも少なくありません。

むしろ、幹部社員の退職が会社にとっては良い結果が出る場合もあるのです。

要はその幹部社員が会社にとって必要か否かを客観的に判断することが肝要と思います。

ほとんどの場合、恐れることはないと私は思います。

 

 

ナンバー2幹部 社内に悪影響を及ぼすと

古参社員のうちの一人で、会社のナンバー2と目されていた幹部社員がいました。
彼は部下社員に対して自分の言うことを聞くように巧妙に仕向け、派閥のようなグループを社内に作りました。

それでは総経理としての方針や指示事項が隅々にはちゃんと伝わるわけがありません。それに顧客に対して自社が取り扱うハイグレード製品は売らずに、こっそり安い他社製品を会社の名義を使って販売し、個人で利益を得ていたという噂が出てきました。

さらに自分の生まれ故郷で、会社の看板を勝手に掲げてニセの会社を作ったというとんでもない話もありました。こうなってはどうしようもなく、辞めてもらうことにしました。

 

こういった場合、彼らは実に巧妙なやり方を取ることもあり、なかなか証拠を見つけにくく、対応も慎重にせざるをえません。調べても確たるものはなかったので、今回もさらっと本人に通告をすることにしました。

ところが、彼を呼んで通知しようとしたとき、彼は私が話す前に、「会社を辞めろという通知でしょう?」と、自分から先に言い出したのです。

私の考えを察していたようで、退職を通告される前に自ら退職することにしたようです。抵抗すると自分のメンツが立たないのでそうしたのだと思います。

結局、彼はすんなりと退職することに同意し、結果としては“騒ぎ”は一切ありませんでした。

また彼は営業を担当する“ナンバー2”だけに、彼がいなくなったら営業パワーが落ちることになり、会社の営業面は大丈夫かと心配をする声が社内に多くありました。

私は会社にとって、まずは“患部”を除去するほうが先決だと考えていましたし、加えて生来楽観的な性格の私は、そういった心配の声はさほど気になりませんでした。

案の定、彼が退職した後も何の影響もなく、むしろ、ちゃんと次の人材が育っていた事に驚きました。

 

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起業のため退職…

その後、彼とは別の古参社員が退職を申し出てきました。理由を聞いてみると、独立して起業するということです。私はその彼のことを信頼していましたので、前の“ナンバー2”のときとは違いショックを隠せませんでした。

信頼していた部下からそう言われるのはつらいものです。
期待が大きかったこともあり、今回は明らかな痛手を感じていました。しかし、独立したいという気持ちは理解できないわけではありません。

 

日本でもそうですが30代の後半から40代の年齢層の人は、ちょうど子供にお金のかかる年代です。
サラリーマンよりも多くの収入を得るために、独立することも少なくありません。

彼もそのうちの一人であって、まして独立を夢見てきたことが実現しそうだとすれば、そうそう引き止めるわけにもいきません。それに、起業する会社はわが社とは競合しないということでもありましたので、快く送り出すことにしました。

彼のためにささやかながら送別会を開き、個人的に記念品まで準備し激励の拍手で送り出したのです。

しかしながら、しばらくして彼の言ったことは嘘であったわかりました。私の会社と競合する会社を彼は作ったのです。「恩を仇で返す」という言葉がありますが、裏切られとてもやるせない気分でした。

 

重石がなくなれば次の芽が出る

しかし、彼が退職し、後を任した「次の人」がとても頑張ってくれました。不思議なことに、以前よりも業績が良くなったのです。

 

この二つの出来事は、頭上に覆いかぶさっていた重石が取れたことで、地中で「今か今かと時を窺っていた新しい芽が、新しい力として湧いて出てくる」ように見えました。

中国社会は浮かび上がろうと努力をしている人も大勢いるということです。中国ビジネスを展開している総経理としては、そういう人たちにチャンスを与えることも大事な役目だと言えます。

総経理(社長)は、漬物石のような重石を外してやること、つまり会社にとって不要な人には「外」に出ていただくのが一番よいということです。

もちろん、自分が“重石”になっては決してならないことを忘れてはなりませんぞ

 

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 ▮▮▮ 中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言を解説 ▮▮▮ 

 

恩将仇报 / 恩を仇(あだ)で返す

◆中国語:恩将仇报

◆中国語発音:[Ēn jiāng chóu bào ]

◆日本語表記:恩将仇報

◆出典:西游记

◆原文:「我若一口说出,他就把公主杀了,此却不是恩将仇报?」

(私がもしきっぱりと言い出せば、彼は王女を殺すことになります。これは恩を仇で返すということではありませんか?)

◆意味:恩を仇で返すとは、恩返しをしないで、かえって恩人に害を与えること。

「恩を仇で報ずる。」ともいう。

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[解説]

 

破土而出 / 土を破り芽が出る

◆中国語:破土而出

◆中国語発音:[pò tǔ ér chū ]

◆意味:植物の種子が地面に芽を出すこと。転じて各種の人材や新しい事物が芽を出して成長するとの意。(改革開放期の話し)

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