【一陽来復】冬は必ず春となる 人生 どんなに辛いことがあっても頭を上げて

激烈な競争の中を生きるサラリーマン、部下の過ちとはいえ私自身が管理責任を問われる重大事案が三カ月という短期間に三件も発生しました。

当時は中間管理職としてまあまあの地位でしたが、それが原因で役職を解かれ左遷もされ、私はもう終わった…と。

春の来ない冬はない

凍結した渤海湾 いずれ溶ける春が来る(2008/1)

人生は順風満帆な時ばかりではなく、むしろ逆風の吹くことの方が多いかもしれません。

とはいえ、会社人間としてどん底に落ちてしまい、20年以上務めた会社を退職することも考えましたが、周囲の支えがあったおかげで思い直すことができて生き延びました。

例え部下の過ちが原因であったとしても、自分がそうなった理由を考えよということです。論語には「立つ所以(ゆえん)を患う」とあるではないですか。置かれた不本意な状況に自身の心まで腐ってしまっては決して希望は訪れません。辛い気持ちを胸に秘め、コツコツと努力を重ねていると、やがてその努力が認められる時が必ず来ます。腐ってしまってはそのチャンスを自ら遠ざけるのと同じです。

そうです。春のこない冬はないのです。寒い冬があるからこそ桜も春になれば美しく咲くのだ、と先輩から教わりました。むしろその不遇の時の経験が自分を大きくさせてくれます。人生には無駄はないと私は考えます。

それは突然やって来た

左遷先である大阪での勤務が1997年8月に始まり、10カ月ほど経過し新しい環境に慣れてきた翌年の忘れもしない5月29日の夕刻のことです。

いつもの月末締切の作業を終えたところで、上司から呼ばれ中国転勤の内示を受けました。

よく聞いてみると、日本の中国地方ではなく、中国の上海とのこと。海外勤務の希望も興味も私にはありませんでしたので、その驚きは大変なもので、頭が真っ白になるとはこういうことかと知りました。まさに 中国ことわざの「突如其来」、突如其れが来た(藪から棒)のでありました。

 

私をよく理解してくれている上司からの内示でしたので、本来なら二つ返事で「行きます!」とお答えすべきところでしたが、「2日ほど考えさせてください。」と返事するのがその時は精一杯でした。ちょうど、その日は金曜日でしたので、土曜日、日曜日に考える時間を貰ったわけです。

そして、6人の先輩や同僚に相談をしたのですが、全員が「当然行くべきだ」とのアドバイスでした。他人のことは、かくも簡単に答えを出すことができるのかと思いつつ、私は決心をしました。6月1日(月曜日)、出社後間もなく上司に「行きます」と報告しました。

一陽来復

大阪での引き継ぎを終え、内示から一週間後には渡航準備のため本社付けとなり大阪を離れました。

その間、初めての海外赴任の不安な気持ちの中にも、久しぶりに心の弾みを感じました。「一陽来復」という言葉のとおり、長い冬が終わって春の兆しがかすかに見える、そんな気持ちが徐々に高まってきました。

 

大阪にはわずか10ヶ月の在籍でしたが、上海赴任をみんな喜んでくれました。そして送別会までやってくれました。肩を組み、涙を流しながら私を送り出してくれたことは一生忘れられません。皆さんが一言メッセージと名前を寄せ書きしてくれた色紙は、今も私の宝物です。

逆風であっても

止まない雨はない、夜明け前が最も暗い、冬が来たら春は遠くはない。辛い時、うまくいかないとき腐らず、どんな時も地道に努力を続けることこそが大事。先輩の言葉が心に沁みました。

 

本社(東京)で渡航準備を行い、6月18日には引継ぎのため上海へ出張することになりました。

その後14年半もの長い間、駐在をすることになりましたが、その遠因とも言うべきは、一旦退職を決意したときに、それを引き止めてくれた先輩・同僚の皆さんの心からのアドバイスがあったからこそです。

不遇の時の友の支えに感謝し、うまくいっているときには、それは自分だけの力ではないことを知る。そんな人間でありたいと思います。

「例え負けても卑下することはない。敗者復活のチャンスを逃がすな」の記事もご覧ください。

「中国ビジネス成功の決め手 現場目線で急所を解説」の目次はこちら

成功のヒント 中国のことわざ・格言

不患无位,患所以立 / 位無きを患えず、立つ所以(ゆえん)を患う

◆中国語:不患无位,患所以立   [ bù huàn wú wèi, huàn suǒ yǐ lì ]

◆出典:論語

◆意味:地位に就けないことを嘆く前に、その理由を考えた方がよい。つまり自分の実力をつけることにつとめよ、との意。

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一阳来复 / 一陽来復(いちようらいふく)

◆中国語:一阳来复    [ yī yáng lái fù ]

◆出典:『易』

◆注釈:古代人は天地には「陽気」と「陰気」があり、夏至は「陽気」の終わりであると同時に「陰気」の始まりであり、冬至は「陰気」の終わりであると同時に「陽気」が再び始まると認識していた。これを「一陽来復」と言いました。

◆意味:冬が終わって春が来ることとの意。転じて新年が来ることを意味する。更に転じて悪いことが続いた後でようやく良い方向に向かうこととの意。

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突如其来 / 突如其れ来たり(藪から棒)

◆中国語:突如其来   [tū rú qí lái]

◆出典:易(离)

◆意味:予想外のことが突然出現すること。藪から棒。

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