人治が色濃い社会 人脈がものをいう

 

 

人治が色濃い社会で、人脈があるのと、ないのではビジネス展開が大きく異なります。

必要なのは裏、表の二系統の人脈です。
表の人脈は信頼できる右腕の部下社員から広げていく、
裏の人脈は、直接自身で切り開くことが大事です。

すべてが人頼みでは自分の手の内を明かすのと同じことになります。
見えない部分を残しておくことが大事で、
そのための労を惜しんでは大きな成果は得られないと心得るべきです。

 

自分の足りないものを補ってもらう

マーケットも商習慣もよくわかっていない外国人が、突然中国にやってきて、自力でできることはそんなには多くありません。地元の人たちも心の中では「たかが知れている。」と高みの見物を決め込んでいる。そう自覚することが欠かせないと思います。

 

そんな環境でビジネスを成功させるために、奮闘するわけです。加工貿易などのある意味でルーティンが中心の業務は別として、中国という市場で売り上げを伸ばし、利益を出し会社を発展させようとすると、日本ベースの思考ではおぼつかない限りです。

 

そこで、どうしても必要になるのが、地元で育った人の協力です。といっても、「コネ」によって、楽をしようという人任せ的な意味では決してありません。

会社の方針を定め、政府の関連部局とのリレーションシップを保持し安心して会社業務を展開できるようにするための協力者のことです。

 

まだまだ「人治」のこの社会で、外国人である私たちが中国でビジネスを展開する上で、足りないものを補填してくれる存在が、あるのとないのでは、展開速度など大きく違ってきます。

協力者を得るということは、中国ビジネスの成功戦略の内のひとつであると思っています。

 

なぜ二系統の人脈を

そして、二系統の人脈を持つのがよいと考えます。一つは、何かを考えるうえで客観的な意見を出してくれる社外の協力者です。これは、自身で直接開拓し社内には知られない個人的なものがよいと思います。

もう一つは、政府系の人脈です。これは、中国で安心して自身のビジネスを展開することができるようにするためのものです。

ただし、これは外国人が自身で直接開拓するのは至難の技です。そこで、社内にほんとうに信頼できる自身の右腕を作り、そこから広げていくのが現実的です。

 

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多一个朋友多一条路

実は大連への転勤を知った上海の友人から、大連の事業家と社外の信頼できる大連人を紹介してくれました。着任時には是非会うようにとのことでした。

そのおかげで着任早々、社外の案件への対応時に、その実業家の人脈を生かした大きな協力を得て、難題を解決することができました。

 

また大連の全般的な状況や大連人(市民)の考え方などを教えていただき、この市場の特性の把握などの面でずいぶん助かりました。

 

着任後、慣れるに従い、商工会活動などを通して、自分で直接切り開いた新たな人脈を開拓することもできて、客観的な立場で相談に乗ってもらうことが少なくなく、心強い“味方”でした。

仕事のことを思い巡らし、考えるときの「思考のチャネル」を増やすことになる、人との出会いを大切にしたいものです。

人間関係を重んじる中国では、「友人が1人増えれば道が1本増える。」という意味の「多一个朋友多一条路」と言われています。それに伴って自身が活躍する場面も多くなるということです。

 

そもそも小なりと言えども、経営者は孤独であって、それに負けないためにも、どうすればよいか常に考え準備しておくことが大事であると思います。また、会社方針やビジョン策定など、あれこれ思いめぐらすときに、そういう社外ブレーン的な人がいてくれると、様々なヒントを得ることができて、ありがたいことが少なくありません。

 

自身で切り開く社外人脈の意外な効能とは

社外人脈を持つもうひとつの側面は、社員に対する牽制的な意味合いがそこにあるということです。

「日本人のあなたは中国のことがよくわからないでしょうから、私に任せてください。」と取り入って、自分でやりたいように会社を操っている日系企業が散見されました。そんな野心を持った社員に対して、この総経理は何かの強い人脈を持っているらしいから、うかつに取り入ろうとするのは得策ではない、と思わせるのに非常に効果があります。

 

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左膀右臂

ところで、中国では何でもかんでも総経理や老板(経営者のこと)が一人でやってしまうようなイメージがありますが、「左膀右臂」という日本語の「右腕」の相当する言葉があるところを見ると、実はそうでもないのかもしれません。

 

大連新参者の私には大連の市場のことや、顧客、政府機関なども何一つわかっていないし、古参社員の人となりすらもわかっていません。

 

新しい計画を立てて、新しい方針で行くぞ、と言いたいのですが、何もわかっていないのに自分の判断だけでやってしまったら、また元の木阿弥になってしまいかねません。強引に決めるのは簡単ですがそれでは人は動きません。

 

それで以前からいた幹部社員の意見を聞きながら、自分の思いを話し組織をリードしていくことにしました。もちろん最終的には、責任者として自分が決めるのですが、部下幹部社員の考えや意見を聞くというプロセスを踏むようにしたのです。

 

古い中国に、「手のひら一つでは手をたたいて音を出すことができない」、という言い伝えがあります。協力者の大切さを教える諺です。

 

そんなわけで、会社運営施策や組織改革などを考える際には、背景や理由など自分の意見を話し、各方面の意見を聞き内容を詰めていくことで、妥当な答えを導き出すことが可能になりました。

 

この手法は少々時間がかかりますが、そういう手順で決めたことは、トップダウンとボトムアップが同時進行的に起こり、走り出すとむしろ速い!のです。

 

右腕は自分で見つけ育てる

そういった会社運営をする中で、“右腕”になってくれそうな人を見つけ出し、育成することにも注力しました。社内運営のリーダーとなり経営幹部として力を発揮してもらうためです。

  1. その道に秀でた専門的知識・技能を持った社員。
  2. 絶対うそをつかない誠実な社員。
  3. ベテラン社員であること。

それらの条件で選びに選び抜いて、それぞれ特徴を持った4人を定めました。

彼らを通して、政府関係筋などとのよいリレーションを築き、安心して会社業務を低回できるような下地を作りました。外国人である私一人では、到底できないような人脈づくりを彼らが補ってくれたことになります。

後に彼らを副社長に登用するところとなりました。

 

人脈は身を助ける

そういう協力者と接することは、自身がストレスを溜めないことにも通じます。

私は会社運営を行う上で、社内幹部社員、社外協力者という2つのチャネルを持つことができました。これも私の事業運営成功要因の一つであったと思っています。

 

そのおかげで、全方位で協力を得ることができるようになり、後々、私にとって大きな力となったことは言うまでもありません。会社の運営をする中で様々な人との出会いがありますが、無駄なものは一つもないように思います。

 

気を配ったつもりでしたが、その時は気がつかなかった「穴」の存在があり、それが原因で1年後、会社が苦境に立たされる出来事が起こることになるのです。

 

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 ♣♣♣ 中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言を解説 ♣♣♣ 

 

一个巴掌拍不响 / 掌ひとつだけでは手をたたいて音を出すことができない

◊中国語発音:[ yī gè bā zhang pāi bù xiǎng ]

◊日本語表記:一個巴掌拍不響

◊出典:曹雪芹《红楼梦》

◊原文:「一个巴掌拍不响,老的也太不公些,小的也太可恶些。

◊意味: 手のひら一つでは、手をたたいて音を出すことができない。つまり、協力者を失って孤立したのでは何もできないということ。

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[解説]

 

多一个朋友多一条路 / 友が一人増えたら、道が一本増える

◊中国語発音:[ duō yī gè péng yǒu duō yī tiáo lù ]

◊意味:友達が一人増えたら、それは道が一本増えるのと同じこと。

◊古来、中国では人間関係はお金に匹敵する重要なものと認識されていた。特に「朋友」という人脈は非常に有益な財産でもある。論語には「朋友自远方来,不亦乐乎」(友、遠方より来る、また楽しからずや)とあります。2500年前の言葉です。

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