人は長所を褒められた方が向上心が沸く まずは相手を認める所から

 

人は否定されるとへこんでしまいます。
逆に認められるとモチベーションが高まります。
ならば、相手を認めるマネジメントをすればよい。これが外せないツボ。

リーダーとしては、その組織の過半数の人が自分の思いを理解してくれると、
とても仕事がやりやすくなります。そのシンパ作りは相手を認めるところから始まります。

 

 

私は総経理として社員を守る

2000年4月に上海から大連に転勤となった私にとって、その月の3日(月曜日)が初出勤となりました。

いろいろとあった迷いは既に自身の中で払拭し、腹は固まっていました。出勤後、社員のみんなに集まってもらい、私はみんなに語りかけました。

 

「私は皆さんを守るためにここに来ました。でも、一つ条件があります。それは一生懸命仕事をすることです。そうすれば私は守ります。もしそうではない人がいたら、その人は守りたくても守れません。ですから仕事に努力してください。そして安心して仕事をしてください。」と。

 

叱咤激励は離反を招く

サラリーマンは誰しも同じだろうと思いますが、転勤などで新任地に赴くと、「ようし、やるぞ」という強い意気込みで、良い成績を出そうとします。

そして力が入るあまり、つい声を大きくしてしまうことが往々にして有るものです。
さらに、本社から自分に対する注目を必要以上に意識してしまい、ますます力んでしまいがちです。

そういった心理はとても理解できますし、自分もついこの前まではそうでした。そして、着任して1か月目が終わった時に、思ったような成果が出た時はそれで良いのですが、そうではなかったときに、問題が起こります。

「何だ、この結果は…!」「前年よりもマイナスじゃないかっ!」などと目くじらを立てることで、部下の離反の心が芽生えてきます。そういうような“叱咤激励”で奮起するのは日本国内ぐらいなもので、中国では多くの場合は、かえって社員が委縮してしまい、場合によってはそっぽを向いてしまいます。

 

仮に成績が良くなかったとしても、現地社員の彼らは彼らなりに努力したはずです。にもかかわらず、それを叱責されたのでは、面子を重んじる中国ですから、うまくいくわけがありません。

じゃぁどうすればよいのでしょうか。

 

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相手を否定しないで認める。そして次の一手を考える。

ヒントは、「貴其所長、忘其所短」という言葉にあります。

一般的に人は良くないことを指摘されるよりも、長所を褒められた方が向上心が沸くというものです。

まず部下を認めることから始めることにしたらどうでしょうか。たとえば、1か月が終わりその月の業績が思わしくなくても、そのことを否定はしない。何故なら、目標は達成できなかったとしても、皆、それなりに努力はしたのだから。その努力を否定されては部下の立つ瀬がなくなってしまいます。

 

しかし、それだけでは、十分な努力をしなくても総経理から否定をされなかったことで、社員に誤解を与えてしまいかねません。

そういう現状を理解したうえで、社員を否定せず、次の一手をどうするかを考える。
時務を識るものは俊傑に在り」と。

 

そこで、私はこう言いました。「残念ながら今月の目標は達成できなかったが、みんなはよく努力をしてくれた。そのことに対して感謝している。この次は必ず達成できると私は思っているよ。なぜなら、我々にはそれができる実力があるのだから。私は、それを確信している。」と。つまり、「努力が足りなかったから達成できなかった。」という意味のことを肯定形で伝え、同時に「だから来月はもっと努力しよう。」と訴えたのです。

 

そういう、自分の思いを繰り返し話して社員のみんなに伝える。責任者として部下を認めてあげれば、部下はそれに応えてくれるものです。その結果、リーダーとしての思いは社員に理解され、いつかは皆と気持ちが一つになります。そして意思の疎通ができるようになります。その結果、思いどおりの実績が出せる日が必ずやってくる、そう私は信じます。

 

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 ▮▮▮ 中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言を解説 ▮▮▮ 

 

贵其所长、忘其所短 / その長ずる所を貴び、その短なるところを忘る

◆中国語:贵其所长、忘其所短

◆中国語発音:[ guì qí suǒ cháng, wàng qí suǒ duǎn ]

◆日本語表記:貴其所長、忘其所短

◆出典:三国志

◆意味:呉の孫権の言葉。部下を使うときには、短所は把握しつつ、しかしそれには触れず、長所を伸ばすように仕向けたということです。人は短所を指摘されるよりも、長所を褒められた方がモチベーションが上がるというもの。

たとえ、日本では褒められたことなど一度もなくても(私もそうです)、中国では褒めて育てることを重視すべきです。

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[解説]

 

识时务者在乎俊杰 / 時務を識るものは俊傑に在り

◆中国語:识时务者在乎俊杰

◆中国語発音:[ shí shí wù zhě zài hū jùn jié ]

◆日本語表記:識時務者在乎俊傑

◆出典:三国志

◆意味:今がどういう時代なのかよく理解し、そのうえで何をすべきかを知っているのが俊傑である。それは、まさに今、具体的に、何をどうするのか、答えを出さなければなりません。

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