抜苗助長 部下育成のコツ 部下とのコミュニケーションがないと悲劇が

 

 

日本本社の命により2000年4月、私は上海から大連に転勤となりました。

事務引き継ぎの最中に新任者である私の目の前で、前任者と現地社員が何と言い争いを始めました。
いやしくも会社のトップである新旧総経理(社長)の引き継ぎ中に、普通では考えられないことです。

いったい、何がどうなっている…?

 

 

総経理と現地社員が遊離

私自身にとっても、あまり気が乗らない転勤であったこともあり、少々憂鬱な気持ちを引きずって大連の引き継ぎに入ったのですが、社内の不穏な雰囲気と共に、その気持ちが増幅されました。

事前に、社内が荒れているとは聞いてはいましたが、想像以上の状況です。社員の心もずいぶんすさんでいるように感じられました。

 

また、言い争っている間に読んだ、前任者が過去に書いた日本本社宛のレポートには、大連の現地法人のことを「グループ会社として似ても似つかぬ会社である。」と記述されていました。

現地社員と総経理の心はまったく通い合っていなかったようです。

 

 

似ても似つかぬ…

会社が設立されてから当時はわずか5年ではありますが、その間の経営やマネジメントは事実上中国側に委ねられていました。

つまり、日系企業であるにもかかわらず、運営実態は中国式でなされていたことになります。

そこに日本国内の運営経験しかない前任者が、二代目総経理として着任。目の前の現実を見て“似ても似つかぬ会社”と感じたのだと思います。

 

何とかしなければ、と前任者の彼は、「グループ会社としてあるべき姿」を声高に訴えたのだと思います。

しかし、現地社員は一度も日本に行ったことのない社員ばかりで、それがどのような「姿」なのか想像もできません。何より、会社立ち上げから約5年間、初代の総経理のもとで、言われたとおりに行ってきたのです。

似ても似つかぬ会社にしてしまった原因は、当初の5年間の経営陣にあったはずで、その責任を一般社員に求めるのは少々酷な話であると私は思います。

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焦りは禁物

そういう歴史をもった会社を「らしく」改造するためには、「本来の姿」とはどんなものかを、現地社員に理解させる努力をすべきであったと思います。それは本らの姿を知っている経営責任者にしかできないことです。

 

会社を早く大きくしたいという熱い気持ちは、赴任者であれば誰しも持っています。しかし、それはひとつ違えば単なる独りよがりになってしまいかねません。

日本で経験してきた、自分の頭の中にある「あるべき姿」を、現地社員達に一方的に押し付けてしまったところに前任者の焦りがあったのではないでしょうか。

もちろん彼は責任者として、会社を早く大きくしたいという気持ちを、他の誰よりも強く持っていたからこそ、の結果だと理解できるのですが…。

功を焦っては失敗のもととなります。

 

自分本位の押し付けは周囲の支持を得られない

可哀そうなのはわからないことを一方的に押し付けられ、「何だこれは…。話にならないじゃないか…。」と頭っから怒られていた地元の一般社員達です。

彼らの心の内はどうなんだろうかと考えてみました。

ひょっとしたらこの問題を解決することが、自分に与えられた使命かもしれないと、私は事務引き継ぎを進める中で、思いが徐々に鮮明になっていきました。

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 ▮▮▮ 中国ビジネスの成功を勝ち取る ことわざ・格言を解説 ▮▮▮ 

 

拔苗助长 / 長ずるを助けんとして苗を抜く

◆中国語:拔苗助长

◆中国語発音:[ bá miáo zhù zhǎng ]

◆日本語表記:抜苗助長

◆出典:孟子

◆意味:苗を引っ張って早く伸ばそうとしたところ、苗が枯れてしまったという物語。功を焦って誤った方法をとると必ず失敗するということ。

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