中国語の【新年好】は新年おめでとうの意 自身の思いを相手に伝えるには…

新年好 

中国・大連のとある病院のCT検査室。でっかいCTの機械に体を横たえた私の耳に検査技師の声がスピーカーを通して聞こえます。「吸气呼气  」と。生まれて初めてのCTを中国語で受けたものですからすごい緊張で、それが「(息を)吸って、吐いて」であることがとっさに理解できずにドギマギしたことがありました。中国に赴任して6年目のことでした。

さて、その吐く息と吸う息のことを「阿吽」とも言い、「阿吽の呼吸」という言葉もありますが、慣れない中国での実生活の中では…

以心伝心はあるかないか

「言葉」よりも大事なのは「仕事のセンスだ」と言われてまったく中国語を理解しない私が中国に赴任。それを真に受けて言葉は通訳に任せる事にしました。

しかし通訳を介してのコミュニケーションはそう簡単なことではありません。まして仕事上の自分の思いを伝えるのは限度を超えんばかりの忍耐が必要で、それだけでエネルギーの大半を費やすほどの感覚でした。

 

その時に「言葉を使わずして思いを伝える」にはどうすればいいか、真剣に考えた時期がありました。しかし気心が知れる前の中国人社員と「以心伝心」のようなやり取りはマジックであり、「阿吽の呼吸」なんかは期待できようはずはありません。

日本人が中国で生活し仕事をする場合に、物言わずして周囲との疎通ができるわけがありません。

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大切なのは言葉

部下社員であれ取引先であれ、また政府機関の人であれ、気持ちを通い合わせることが、成功させるためにどうしても必要です。コミュニケーションほど大事なものはないということです。そしてその最大のツールは「言葉(中国語)」であり、中国ビジネスの成否を大きく左右します

自分の持っている「仕事のセンス」がいくらハイレベルなものであったとしても、それを活かすにはどうしても「言葉」というツールが必要です。これが中国語がわからないままに中国に赴任した私が学んだことです。

古代中国のことわざに「口は好を出し戎を興す」とあります。言葉は友好を生み出すが戦も生み出す、と「口」を戒めることわざです。しかしながら言葉を口に出さないことには何も始まらないとも言えます。

通訳を頼る気?

中国語ができない場合、通訳を介することが最も手っ取り早い方法。

当座しのぎにはそれなりに助かります。というより中国語ができない人にとってはこれしか方法がないのです。

ただ、いくつかの問題があります。その通訳さんのレベルにもよりますが、なかなか自分の思いがうまく相手に伝わらないのです。そもそも、日本語と中国語が互いの間を行き来しますので、単純計算で2倍の時間がかかります。それだけで、結構なストレスがたまることになります。

 

ストレスを感じさせない高いレベルの通訳は、給与もかなりの高水準ですから、他の従業員たちとのバランスも気にしなければなりません。

それに、通訳という仕事は、日本人と中国人の間に立ちますので、面倒なことが発生しかねません。例えば日中の歴史に由来することです。私はかつて、自分の通訳が相手の中国人から「お前は日本人の味方か!」と言われているところを見たことがありました。

 

入郷随俗

言葉もろくにできない中国初心者が自身の思いを伝えるには通訳を介するよりもむしろ下手でもいいから自身の口で話すこと。この方が不思議にも相手によく伝わるように思います。

おそらく、自分の少ない中国語ボキャブラリーを駆使して思いを必死に伝えようとする、相手は、私が何を言おうとしているのか、懸命に理解しようとする、そういう思いが両者の間に作用するのだと思います。

 

社内では通じるのに、何故タクシーに乗ったら通じない? そんなことを何度も経験しましたが、それがよい例だと思います。

私は、中国に赴任して約1年間、毎週3回、毎回2時間、マンツーマンで中国語を教わりました。そしていつの間にか通訳なしでコミュニケーションが取れるようになりました。

 

言葉の勉強って面白いもので、言葉だけでなくその土地の風習なども自然と学ぶことが出来て、結局自分の中国ビジネスに大きく寄与してくれることになりました。

また、中国語を学ぶ姿、姿勢を社員や従業員に見せることは、それ自体が好印象を与え、周囲からの信頼を勝ち取る大きな要素となると理解できます。

中国の古い諺に「入郷随俗」とあります。郷に入っては郷に従えとの意ですが、その第一歩は中国語という「言葉」の問題を克服することではないでしょうか。

地元社員達はそういう総経理(社長)の姿を見ているのですよ。

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成功のヒント 中国のことわざ・格言

以心传心 / 以心伝心

◆中国語:以心传心   [ yǐ xīn chuán xīn ]

◆出典:六祖大师法宝坛经·行由品

◆原文:“法则以心传心,皆令自悟自解。”

◆意味:言葉や文字を使わなくても、互いの気持ちが通じ合うことのたとえ。

◆注釈:もとは仏教用語。言葉や文字では表せない奥深い仏教の真髄を、師から弟子の心へ伝えることをいったそうです。

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入乡随俗 / 郷に入っては郷に従え

◆中国語:入乡随俗   [ rù xiāng suí sú ]

◆日本語表記:入郷随俗

◆出典:庄子(山木)

◆注釈:新しい土地に来たら、その土地の風俗習慣に従うことがよい処世術である。

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口 出好兴戎 / 口は好を出し戎を興す

◆中国語:口 出好兴戎   [ kǒu chū hǎo xìng róng ]

◆出典:書経

◆意味:口から出る言葉は友好を生み出すし戦も生み出す。

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